部分供給スキームを活用した電力供給の仕組み(出所:エナリス)
部分供給スキームを活用した電力供給の仕組み(出所:エナリス)
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大阪いずみ市民生協のメガソーラー(出所:大阪いずみ市民生協)
大阪いずみ市民生協のメガソーラー(出所:大阪いずみ市民生協)
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 エナリスは5月15日、大阪いずみ市民生活協同組合(大阪府堺市)と、電力供給に関して、新たなスキームで協業すると発表した。同生協が発電した再生可能エネルギー由来電力を、「部分供給スキーム」を活用したエナリスの「電力代理購入サービス」によって、大阪いずみ市民生協の各施設で利用するという仕組み。今年6月から開始する。近畿地区でこうした仕組みを採用するケースとしては、先進的としている。

 具体的には、エナリスが大阪いずみ市民生協の再生可能エネルギー発電所から、政府で決定している固定価格買取制度(FIT)の買取価格にプレミアムをつけて発電電力を買い取る。エナリスは、買い取った電力のほか、同生協の代わりに複数の電力会社の電力を選択したうえで、いずみ生協の各店舗に提供する。このように、一つの需要家に対して、2社以上の電力会社(新電力と一般電気事業者など)が電力供給する仕組みを「部分供給スキーム」という。また、需要家に代わり、複数の電力会社からの電力購入を請け負う手法を「電力代理購入サービス」という。

 このスキームにおける第1号案件として、大阪いずみ市民生協が所有する2カ所のメガソーラー(大規模太陽光発電所)「和泉市・テクノステージ発電所」と「和泉市・あゆみの発電所」(合計で出力約2.3MW、年間発電量想定約230万kWh)で発電した電気を、エナリスが買い取る契約を締結した。なお、第2号案件として、「奈良・天理発電所」(出力約1MW、年間発電量想定約100万kWh)を予定している。

 今回のスキームで得た電力需給のデータは、同生協が今後、参入を検討している新電力事業の立ち上げに際し、需給マネジメントや事業収支マネジメントに活用する計画。