メディカルリンクの分析画面の例
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夜間血圧測定機能付き上腕血圧計「HEM-7252G」
夜間血圧測定機能付き上腕血圧計「HEM-7252G」
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 オムロン ヘルスケアは、血圧分析サービス「メディカルリンク」を新たに夜間血圧分析に対応させる(リリース)。併せて、夜間血圧測定機能付きの上腕式血圧計を2014年5月29日に発売する。

 日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン」2014年版では、家庭血圧と診察室血圧に差異がある場合は家庭血圧を優先するとしており、家庭血圧の重要性が高まっている。血圧は一般に朝は低く、日中に上昇して睡眠中は落ち着く。ただし朝の血圧が高い早朝高血圧や睡眠中も血圧が高い夜間高血圧の患者は心血管疾患のリスクが高く、特に夜間高血圧では心血管疾患による死亡リスクが2.35倍になるという。また、夜間血圧は昼間の血圧よりも病態や予後と強く相関することが知られており、重要な血圧管理指標とされている。

 通常、夜間血圧は「24時間自由行動下血圧モニタ(ABPM)」で測定する。これは携帯型の血圧計を24時間装着し、30分間隔などで測定・記録し続ける装置である。患者の負担が大きい上に、生活習慣の影響を受けて再現性が低いなどの課題があるため、あまり普及していない。これに対し、夜間測定機能付き家庭血圧計では、一晩の測定回数は少なく抑えつつ複数の晩にわたって測定できる。日中に装着する必要がないことから、ABPMよりも再現性が高く、より正確に病態を反映するという。

 こうした背景から、オムロン ヘルスケアは今回、同社の血圧分析サービス「メディカルリンク」に夜間血圧管理機能を追加する。併せて、夜間血圧測定機能付き上腕血圧計「HEM-7252G」を発売する。メディカルリンクはICTを応用した血圧分析サービス。測定した家庭血圧データは自動的にメディカルリンクのサーバーに送られ、家庭血圧の推移や朝晩の差を医師のパソコンに表示して高血圧治療を支援する。

 同サービスでは、夜間血圧測定の時刻や測定タイミングをメディカルリンク管理画面上で医師が設定し、患者に貸出する。患者は就寝時に血圧計の腕帯を腕に巻き、「夜間測定」スイッチを押すと、測定タイミングに従って自動的に血圧が測定され、そのデータは自動的にサーバーに送信される。医師はデータをリアルタイムにモニタリングすることが可能だ。