ピザからバームクーヘンに

図14 プロトレックの新型機
図14 プロトレックの新型機

 続いて、カシオ計算機は、アウトドア用途の腕時計に新型の太陽電池セルを搭載した。2014年3月に販売を始めた「PRO TREK(プロトレック)」の新型機「PRW-6000Y」である(図14)。プロトレックはアウトドアスポーツ愛好者向けの時計で、方位や気圧、高度、温度をセンシングする機能を備える。カシオ計算機によれば、例えば登山愛好者の多くは腕時計を一瞬だけ見て、長針と短針の角度で時間を瞬時に把握するので、アナログ時計への需要が強いという。

図15 円形のセルを中央に配置
図15 円形のセルを中央に配置
(図:カシオ計算機)

 PRW-6000Yの特徴は、アナログ時計でありながら、液晶パネルを搭載すること。液晶パネルの部分には太陽電池セルを配置できないので、前述の扇形で針の影の問題を解決するのは難しい。そこで、針の影を一つのセルに固定する方法で、受光面積を拡大した。具体的には、やや大きめの円形のセルを中央に配置し、その周辺に複数の太陽電池セルを配置する構造を採用したのだ(図15)。