複数の太陽電池セルを直列に接続する(写真:日経エレクトロニクス)
複数の太陽電池セルを直列に接続する(写真:日経エレクトロニクス)
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 タムラ製作所は、太陽電池モジュールの製造時に使うフラックス「超低残渣フラックス」を開発した。セル表面に白く残って受光の妨げとなるフラックス残渣を、従来品に比べて60%少なくできるという。同社は、太陽電池の一大生産地である中国市場を中心に、2014年5月にサンプル出荷と販売を開始する。

 太陽電池モジュールの製造工程の1つに、複数の太陽電池セルを直列に接続する工程がある。太陽電池セル表面のバスバー電極と、隣接する太陽電池セルの裏面電極を、細いタブ線で接続していく工程だ。接続には、はんだを使うことが多い。

 はんだで接続する前に、電極の酸化物を除去して接続性を高めるフラックスを用いる。このフラックスが広がりすぎて、太陽電池セルの受光面に白く残る課題があった。白い残渣は受光の妨げになる。

 タムラ製作所は、フラックスに含まれるロジンなどの固形物が残渣の広がりの原因と考えた。そこで同社は、ロジンなどの固形物を減らすとともに、残渣とならない材料を新たに開発してフラックスに配合した「超低残渣フラックス」を開発した。酸化物除去の性能は、従来品と同等とする。

 電子機器の実装に使うフラックスの需要は、はんだとフラックスを混合したはんだペーストが中心になっている(関連記事)。このためフラックス単体の需要は、減少傾向にある。しかしここ最近、太陽電池やLEDの製造工程といった用途で、新たなフラックスの需要が増えてきた。