図1◎並んだ試乗車
図1◎並んだ試乗車
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図2◎X字型の補強材。鏡に床下を映したもので、左が後ろ。床板と補強材の色が違うが、これは試作車のため
図2◎X字型の補強材。鏡に床下を映したもので、左が後ろ。床板と補強材の色が違うが、これは試作車のため
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図3◎タンクの表面。菱形の模様が座屈を防ぐ
図3◎タンクの表面。菱形の模様が座屈を防ぐ
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 ダイハツ工業は、2014年6月に発表する予定の軽オープンスポーツカー「コペン」の発表を前に、試作車を報道陣に公開した(図1)。最終仕様はまだ固まっていないということで、外板に偽装のシールを貼った状態だったが、スラロームのコースを用意するなど、“走り”に対する自信を見せた。現在コペンは生産しておらず、再発売という形になるが、開発は先代の販売を続けていた2010年1月に着手しており、「先代コペンの全面改良と考えて欲しい」(同社製品企画部チーフエンジニアの藤下修氏)という。

 試作車を公開するとともに技術の一部を明らかにした。外板はドアを除いて樹脂製。6月に発表する量産車では、外板を“着せ替え”(関連記事)できることをうたっており、そのために樹脂製にする必要があった。ただし樹脂化によって外板の質量が5kg台から3kg台へ約2kg軽くなっており、狙いは着せ替え、軽量化の両方だという。なお、内装の着せ替えもできるが、詳しくは6月に発表する。

 樹脂の材質は前後フェンダー、前後バンパー、左右のロッカーパネル、フューエルリッド、フードアウターがPP(ポリプロピレン)製、フードインナー、ルーフ、バックパネル、ラゲッジなどがSMC(シート・モールディング・コンパウンド)製。水平に使うため自重で曲げの力の加わる部材をSMCにした。

 外板に樹脂を使う場合はかつて米GM社の「Fiero」のようにドアまで樹脂にすることが多い。着せ替えで色が変わることを考えると、樹脂製に統一したかったはずだが、今回は断念したという。外板はトルクスねじで鋼製の部材に固定する。六角ねじを使うよりは盗難防止になるが、最近はトルクスのレンチも普及しているため、心配がないとは言えない。