発表したFUJIFILM FC1
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事業戦略を発表する後藤氏
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新製品について説明する山崎氏
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X線診断装置のノウハウ生かす

 第2に、複数の周波数の超音波を当てて雑音(ノイズ)を相殺する「マルチ周波数処理」を施すことで、スペックルノイズを低減した。スペックルノイズとは、超音波の波長に比べて小さい散乱体によって生じる散乱光が互いに干渉し、まだらな点状の像が発生する現象。一般に、スペックルノイズを低減すると組織の境界部分などの画像もボケやすいが、エッジ強調処理によってこれを防いだ。ここでは「X線診断装置で培った画像処理のノウハウを生かした」(山崎氏)。

 これらの工夫により、例えば微小な肝臓がんを鮮明に画像化できるようになった。頚動脈の内壁などの付着物(プラーク)も鮮明に観察できるという。プラークは脳梗塞の要因となりやすい物質だ。

 価格は1171万3000円(税別)で、子会社の富士フイルムメディカルを通じて販売する。国内では年間500台の販売を目指す。富士フイルムは今回の新製品を、2014年4月11~13日にパシフィコ横浜で開催される「ITEM 2014(国際医用画像総合展)」に出展する。