3月28日に発電を開始した「F伊賀太陽光発電所」(出所:NTTファシリティーズ)
3月28日に発電を開始した「F伊賀太陽光発電所」(出所:NTTファシリティーズ)
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 NTTファシリティーズは3月28日、三重県伊賀市で建設を進めてきた「F伊賀太陽光発電所」が発電を開始したと発表した。設置した太陽光パネルの出力容量は1272kWで、年間発電量は約390世帯分に相当する140万8000kWhを見込んでいる。

 同発電所では、1直列回路当たりに最高直流電圧を1000Vまで高めた。これまでの標準的な直流600Vのシステム総合効率が約70%であるのに対して、1000Vに高圧化することで90%まで高められるという。

 直流1000Vシステムは、2月28日に稼働した「F土浦太陽光発電所」で初めて採用した(「直流1000Vでシステム構築、NTTファシリティーズが初めて採用」 )。高電圧化によって、配線における損失の低減や、パワーコンディショナー(PCS)の変換効率も向上することから、メガソーラー(大規模太陽光発電所)のシステム全体の効率が高まる。1直列回路に繋ぐ太陽光パネルの枚数を増やすことで、直列回路を並列に繋ぐ接続箱の数が減らせる。高電圧化に伴い1台のPCSの容量を大きくすることで集電箱とPCSの台数も減り、さらに初期コストが下がる。今後、メガソーラーのシステム設計に直流高圧(電気設備基準では750V超、7000V以下)を採用するケースが増えていきそうだ。