図1◎静音化したファンなしタイプ扇風機「dyson cool  AM07」(左)と「同 AM06」。
図1◎静音化したファンなしタイプ扇風機「dyson cool AM07」(左)と「同 AM06」。
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図2◎ヘルムホルツ空洞とは干渉を利用して音を減衰する。
図2◎ヘルムホルツ空洞とは干渉を利用して音を減衰する。
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図3◎「同 A06」のカットモデル。
図3◎「同 A06」のカットモデル。
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 英Dyson社の日本法人ダイソン(本社東京)は、同社従来機種に比べて大幅に静音化したファンなしタイプ扇風機「dyson cool」の新製品を2014年4月30日に発売すると発表した。騒音をヘルムホルツ空洞で減衰させるなどして、エネルギーに換算した稼働音の大きさを最大で75%低減できたという。

 ヘルムホルツ空洞とは干渉を利用して音を減衰する技術。ノイズ源の近くに空洞を設け、その空洞で位相を反転させ、ノイズを打ち消す。その際、空洞の形状と体積を最適化することが重要になる。

 新製品では、ヘルムホルツ空洞をモーターの下に設置して、最も耳障りで音量も大きい周波数1000Hz前後のモーター音を大幅に減衰するように設計した。ヘルムホルツ空洞は、開口部の直径が4cm程度。この内部で周波数1000Hz前後の音波の位相を反転させ、モーター音と干渉させることで稼働音を減衰させる。その他、扇風機内部の空気が流れる際、乱気流が発生しないように流路の形状を工夫することでも静音化を図った。ダイソンは発表に際して、従来機と新製品を並べて稼働音の比較を実演したが、新製品の稼働音は大幅に小さかった。

 新製品は卓上に置くタイプの「同 AM06」と、床に置く「同 AM07」の2機種あり、価格はいずれもオープン。想定店頭価格は前者が4万800円(税別)、後者が5万4800円(同)。