富士電機のフィルム型シリコン太陽電池の設置例(出所:富士電機)
富士電機のフィルム型シリコン太陽電池の設置例(出所:富士電機)
[画像のクリックで拡大表示]

 富士電機は2月19日、同社の太陽電池セル事業を、ニュージーランドの屋根材メーカーZinniaTek社の100%子会社である、FWAVE社(東京都小平市)に譲渡すると発表した。

 富士電機は、軽くて折り曲げられるフィルム型のアモルファス(非晶質)シリコン太陽電池セルを製造、販売し、曲面の屋根への設置など、曲げられる特徴を生かした用途を模索していた。また、登山家の野口健氏が、チョモランマ登頂に携帯するなど、軽さを生かした用途開発にも取り組んでいた。しかし、発電効率が低いこともあって、販売が伸びなかった。今後は、大規模な太陽光発電所向けのパワーコンディショナー(PCS)事業に傾注する。

 譲渡の対象となるのは、太陽電池セルの生産拠点である、熊本工場の土地・建物・生産設備と、千葉工場にある太陽電池セルの研究開発設備のほか、棚卸資産、太陽電池関連の商標権と知的財産権である。2014年3月31日に譲渡する。

 FWAVE社は今後、取得した熊本工場で生産した太陽電池セルを使った建材などの事業を拡大するとしている。

 富士電機は、既存顧客への太陽電池セルのセル生産や販売の継承などを含めて、FWAVE社への譲渡後の円滑な立ち上げを支援するという。