Solarbuzzによる太陽電池製造装置向け投資サイクルの調査結果
Solarbuzzによる太陽電池製造装置向け投資サイクルの調査結果
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 2013年に大きく落ち込んだ太陽電池の製造装置への投資が、2015年から上向きそうだ。米NPD Group社の太陽電池部門であるSolarbuzzが、調査レポート「PV Equipment Quarterly」で調査結果を明らかにした。

 太陽電池の製造装置への投資額は、2011年に約130億米ドルのピークに達した後、2013年には約17億3000万米ドルまで落ち込んだ。これは過去8年間で最低の数値である。太陽電池メーカーの生産能力の過剰が原因で業界再編が起こり、その結果として設備投資が大きく落ち込んだ。これにより、製造装置メーカーも再編を迫られた。

 太陽電池メーカーの再編の結果、2014年上半期にかけては、太陽電池の需要と業界全体の生産能力(45GW)が釣り合うことになりそうだという。それに合わせて太陽電池メーカーは、急ピッチで生産能力の拡張に動き、2015年に設備投資が上向き始める。

 Solarbuzzは、太陽電池の生産能力の拡張が、1GW以上の単位で実施されることになると見ている。設備投資は当初、規模拡大によるコスト削減と生産性の向上を目的に進む。その後、太陽電池業界のセル変換効率の標準値が20%に近づくと、技術主導の設備投資が広がっていく。

 現在、太陽電池市場の90%以上を結晶Si型太陽電池が占めていることから、2015年からの設備投資も結晶Si型太陽電池向けが中心になる。一方の薄膜太陽電池についても、新興メーカーの大型投資が見込まれている。例としてSolarbuzzは、中国Hanergy Holding Groupが計画する、中国における数GW規模のCIGS型太陽電池製造ライン向けの投資を挙げた(Tech-On!関連記事)。