CareQubeを使った見守りシステムの概要(資料:クオリカ)
CareQubeを使った見守りシステムの概要(資料:クオリカ)
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水道利用量をグラフ化した例(資料:クオリカ)
水道利用量をグラフ化した例(資料:クオリカ)
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 情報システム会社のクオリカ(東京都新宿区)は、水道の利用量をモニタリングすることで、高齢者世帯の安否や生活リズムを把握する高齢者見守りシステムの実現に向けて準備を進めている(発表資料)。同社と岐阜県郡上市のNPO法人「つくしん棒」は、2013年6月から郡上市で2世帯を対象に実証実験を行ってきた。実験で一定の成果を得られたことから、正式なサービス提供に向けて、仕組みの拡充やメニュー化に取り組んでいる。2014年4月以降に、同市で100世帯以上を目標にサービス提供を開始し、将来は全国に展開していく考え。

 この見守りシステムの中核になっているのが、クオリカの「CareQube」。M2M機能を持った端末を各種機械(今回のケースでは水道メーター)に取り付け、端末に集めた情報を3G回線を通じてサーバーに転送し、インターネット経由で確認できるようにするもの。産業機器メーカーなど向けに、納入した機器の稼働状況を監視する予防安全サービスとして提供してきたのを、今回は見守りサービスに応用した。

 別世帯で暮らす親族や地域の見守りボランティアなどの関係者に、水道利用情報を定期的にメール配信する機能や、見守り対象世帯の住所を地図に表示したり、水道利用量をグラフで表示したりする管理機能も用意する。

 クオリカによれば、水道の利用量を用いた見守りの取り組みはこれまでにもあったが、通信状況によりデータが途切れるなどの課題があったという。これに対し、CareQubeを使った仕組みは、通信が途切れた場合でも機器内部にデータを蓄積するため、データを欠落なく集められるとする。