中央が社長に昇格した東原敏昭氏。左は現会長の川村隆氏、右が現社長の中西宏明氏
中央が社長に昇格した東原敏昭氏。左は現会長の川村隆氏、右が現社長の中西宏明氏
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 日立製作所は2014年1月8日、執行役専務の東原敏昭氏が同年4月1日付で執行役社長COOに就任すると発表した。現執行役社長の中西宏明氏は、執行役会長兼CEOに就任。現会長の川村隆氏は3月31日付で退任し、相談役に退く予定である。

 東原氏は1977年に同社に入社後、列車の運行管理制御システムや電力系統制御システムの開発などに携わり、近年はタイやインド、カタール、サウジアラビア、ブラジルといった新興国で、エネルギー・プラントや水処理システムといった社会イノベーション事業関連の現地法人の設立、M&Aなどに携わった経歴を持つ。

 東原氏は1月8日夜に都内で開いた記者会見で「失敗を恐れずに『「one for all、all for one(一人は万人のために、万人は一人のために)』の精神で社会イノベーション事業をグローバルに展開していく」と抱負を語った。「省エネ」や「生産効率の向上」といった企業の経営者が抱える課題を解決するため、日立グループ内の製品やサービスを束ねて提供する「One 日立」の体制作りを進めていくという。

 東原氏は「当社は(2009年3月期に7873億円の最終赤字を計上した後、)V字回復をして成長路線に舵を切った。この成長路線をより確実なものとするために事業基盤を強化する」と説明。クラウド技術やビッグデータ解析といった情報通信技術の活用や、グローバルな事業基盤の確立などを、強力に押し進めていく方針を示した。