図1●2012年第4四半期に次いで2番目に多い(出所:米Solar Energy Industries Association(SEIA))
図1●2012年第4四半期に次いで2番目に多い(出所:米Solar Energy Industries Association(SEIA))
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図2●発電事業用は2016年まで最大の分野(出所:米SEIA)
図2●発電事業用は2016年まで最大の分野(出所:米SEIA)
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図3●2013年第3四半期に完成した主なメガソーラー(出所:米SEIA)
図3●2013年第3四半期に完成した主なメガソーラー(出所:米SEIA)
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 米国の太陽光発電関連の工業会であるSolar Energy Industries Association(SEIA)と調査会社の米GTM Research社は、2013年第3四半期(2013年7~9月)の米国の太陽光発電システム市場の調査結果を発表した。2013年7~9月に米国で設置された太陽光発電システムの合計出力は、前期(2013年4~6月)に比べて約20%増、2012年同期に比べて約35%増となる約930MWと、これまでで2番目に多い数値となった(図1)。

 SEIAの社長 兼 最高経営責任者(CEO)のRhone Resch氏は、2013年は米国の太陽光発電業界にとって、「記録破りの年」と位置付けている。

 2013年に米国に設置された太陽光発電システムの合計出力は、2012年に比べて12%増の4.3GWとなると予想している。これは、15年以上ぶりにドイツを上回る数値だという。集光型太陽熱発電(CSP)についても5GW以上となることから、両者を合わせた太陽光による発電システムの合計が10GW以上に達する。これによって、米国内で稼働ずみの太陽光による発電プロジェクトは40万件以上になる。

 メガソーラー(大規模太陽光発電所)などの発電事業用(Utility)の今後については、最短でも2016年までは、設置された太陽光発電システムの合計出力の最大の分野であり続けるという(図2)。ただし、成長率は鈍化していくため、米国以外の新興市場でのビジネスチャンスを模索することになるだろうとしている。

 2013年7~9月は、設置された住宅用(Residential)の太陽光発電システムの合計出力が2012年同期に比べて49%増の186MWと、大幅に成長した。余剰電力を電力料金と同額で買い取るネットメータリング政策に牽引されたものと分析している。2013年10~12月は同52%増となる見込みである。非住宅用(Non-residential)は、2012年同期比横ばいとなった。

 メガソーラーなどの発電事業用は、52件で539MWと好調を持続しており、設置された太陽光発電システムの合計出力の半分以上を占めている。2013年10~12月には、1GWを超える見通しである。

 米国における大規模な建設プロジェクトの多くはカリフォルニア州に集中しているが、今四半期はネバダ州で米SunEdison社が建設した出力37MWのメガソーラーが完成した(図3)。メガソーラーの増加などに対応して、米国では大容量の基幹送電線を、現在の12.1GWから、2~3年後をめどに12.6GWに拡充する計画である。

 州別にみると、トップはカリフォルニア州で455MWとなった。また、ノースカロライナ州が前期比約23%増となり、設置ずみの合計出力で3位に浮上した。このほか、ネバダ州が21位から12位に、バーモント州が17位から5位にそれぞれ上がった。

 2013年7~9月期の太陽光発電システムの平均コストについては、2012年同期の1Wあたり3.59米ドルから、3.00~3.13米ドルに下がった。 このうち、メガソーラーなどの発電事業用は2012年同期の1Wあたり2.40米ドル、前期の2.10米ドルから、2.04米ドルに下がっている。