会見する中尾氏
会見する中尾氏
[画像のクリックで拡大表示]

 医療機器産業連合会(医機連)は2014年1月6日、年頭記者会見を開催し、会長の中尾浩治氏が医機連としての2014年の重点課題を説明した。同氏が掲げた課題は四つ。(1)「医薬品・医療機器等法」に基づく具体的な規制緩和の実現、(2)医療機器産業の国際展開の推進、(3)医療機器イノベーション人財の育成、(4)PMDA(医薬品医療機器総合機構)の財源の健全化、である。

 (1)は、2013年末の臨時国会で成立した「医薬品・医療機器等法」に関するもの。同法律は、現行の薬事法に対して、医薬品と医療機器を別の章立てで規定すると同時に、医療機器の審査の簡略化などを実現しようとするもので、2014年末に施行される見通し。施行に向けては今後、政省令などの整備が進められていくことになる。医機連としては、その政省令の内容が実効性を伴った規制緩和に結び付くものとなるよう、行政と連携して議論を進めていくという。

 (2)の国際展開の推進については、特に、国・地域ごとに異なる規制の「ハーモナイゼーションの実現」(中尾氏)が重要であるとの認識を示した。これにより、国際展開の手続きの簡素化が実現できるよう、政府と連携して取り組んでいくという。

 (3)の人財の育成については、「医療機器業界の“ジョブズ”を育てたい」(中尾氏)と語り、元・米Apple社のSteve Jobs氏を引き合いに出して説明した。具体的には、「さまざまな要素技術を組み合わせて、医療ニーズに合致した新たな価値、イノベーションを生みだす人財を育成する仕組みを構築したい」(同氏)とした。

 (4)のPMDAの財源に関しては、運用費用の約85%を企業の審査相談手数料や拠出金に頼っている運営財源について、適切な水準の国費の投入を求めるとした。