富士電機による国内の離島マイクログリッドの設置例(出所:富士電機)
富士電機による国内の離島マイクログリッドの設置例(出所:富士電機)
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 富士電機は12月24日、南洋貿易(東京都港区)と共同で、トンガ電力公社(Tonga Power Limited)から、「トンガ王国に対する無償資金協力マイクログリッドシステム導入計画」による新規マイクログリッドシステムを受注した、と発表した。これは日本が海外に無償資金協力として初めてのマイクログリッドシステムの輸出となるという。具体的には、マイクログリッドシステムと1MW の太陽光発電システムを一括受注した。納入先は、トンガ王国トンガタプ島で、完成は、2015 年3 月の予定。

 島嶼などの相対的に小規模な電力系統に、太陽光や風力など出力変動を伴う再生可能エネルギーによる発電設備を大量に導入した場合、安定的な電力供給が難しく、かつ電力系統の周波数が変動して電力の品質を維持することが困難になる。マイクログリッドシステムは、電力系統の状況に応じて蓄電デバイスの高速充放電制御を行い、不安定な再生可能エネルギーの出力変動を抑えることによって電力品質を維持し、その大量導入を可能にするシステムのことを指す。
 
 富士電機は、これまでに九州・沖縄エリアの離島へのマイクログリッドシステムなど多くの実証事業に参加してきた。これらの実績と北九州市などでのCEMS(地域エネルギー管理システム)実証事業、風力発電に併設した蓄電システムの技術によって、地域全体の需給バランスや電力品質(電圧・周波数)を確保するノウハウを蓄積してきたという。