[画像のクリックで拡大表示]

 ソーラーフロンティアと米IBM社、東京応化工業は共同で、面積が0.42cm2と微小なCZTS型太陽電池セルで、世界最高の変換効率12.6%を達成した。微小なCZTS型太陽電池セルのこれまでの最高記録は、同じ研究チームが2012年8月に発表した11.1%だった。

 ソーラーフロンティアなどは、光吸収層のCu2ZnSnSxSe4-x (CZTSSe)の改良や光学的な構図の改良などで、変換効率を高めたとする。開放電圧は513.4mV、短絡電流密度は35.2mA/cm2、曲線因子は69.8%である。測定は米Newport社で実施した。

 CZTS型太陽電池は、Cu、Zn、Sn、S、Seで構成する薄膜化合物型太陽電池。ソーラーフロンティが現在量産しているCIGS型太陽電池に比べて、InやGaなどの希少金属を含まないのが特徴である。このためソーラーフロンティアは、太陽電池の大量導入時代に備えて、安価に大量生産できるCZTS型太陽電池の変換効率の向上に取り組んでいる。

 なお、CIGS型太陽電池の変換効率の世界最高記録は、ドイツZSW (Zentrum für Sonnenenergie- und Wasserstoff-Forschung Baden-Württemberg)が2013年10月下旬に発表した20.8%である(発表資料)。