東京電力の自社電源の運転単価(2012から14年算定分)(出所:東京電力の資料から自然エネルギー財団作成)
東京電力の自社電源の運転単価(2012から14年算定分)(出所:東京電力の資料から自然エネルギー財団作成)
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 固定価格買取制度に基づいて電気料金に加算される「賦課金」は、約1100億から1400億円も過大になっているーー。自然エネルギー財団は、「回避可能原価の計算に関する分析」を9月末に公表し、こんな分析結果を明らかにした。

 固定価格買取制度では、まず、再生可能エネルギー発電電力を電力会社が固定価格で買い取り、電力会社は再エネの割高分を、「賦課金」として電気料金に上乗せして広く国民から集める。賦課金は、再エネの買取額から主に「回避可能原価」を引いて算出する。「回避可能原価」とは、電力会社が再エネを買い取ることで自ら発電せずに済むことによる燃料費の削減分などだ。経産省の計算では、2013年度の再エネ買取額(見込み)は4800億円、回避可能原価は1670億円になる。4800億円から1670億円と事務処理費用(2.5億円)を引いた3133億円が「賦課金」として電力料金に上乗せされることになる。

 経産省では回避可能原価をすべての発電所のコストを平均した「全電源平均運転単価」を使って計算している。しかし、同財団の分析によると、実際の電力会社の運用では、石油や天然ガス火力など発電単価の高い電源(図)から出力を下げるため、「全電源平均運転単価」に比べて実体の回避可能原価は1000億円以上高くなると試算する。その分、約1100億~1400億円程度、賦課金が過大になっていると指摘している。