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「東北の復興を象徴する3次元LSIの世界的拠点に」、東北大が300mm対応の試作用ラインを公開

大下 淳一=日経BP半導体リサーチ
2013/09/24 06:00
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記念講演会に登壇した小柳氏
記念講演会に登壇した小柳氏
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GINTIで試作した3次元LSIをプロセス・フローごとに紹介
GINTIで試作した3次元LSIをプロセス・フローごとに紹介
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完成した3次元LSIウエハー
完成した3次元LSIウエハー
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GINTIのクリーン・ルームの様子(その1)。正面に見えるのがエッチング装置。
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GINTIのクリーン・ルームの様子(その2)。
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 東北大学は2013年9月20日、300mmウエハー対応の3次元LSI試作ライン「三次元スーパーチップLSI試作製造拠点(GINTI:Global INTegration Initiative)」の完成記念式典を開催した。ソニー 仙台テクノロジーセンター(宮城県多賀城市)敷地内の「みやぎ復興パーク」に2013年3月に完成したGINTIを業界関係者や報道陣に公開するとともに、仙台市内のホテルで記念講演会を開催した。

 GINTIは、300mmウエハーを用いて3次元LSIを試作できる環境を半導体メーカーや研究機関に提供する拠点。3次元LSIの研究で知られる東北大学 未来科学技術共同研究センター(NICHe) 教授の小柳光正氏らが中心となり、経済産業省などの支援を得て立ち上げたプロジェクトである。小柳氏が拠点リーダーを務め、「台湾TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.)などの海外のファウンドリー企業に負けない、3次元LSIの世界的な開発拠点にする」(小柳氏)考えだ。

 現在、半導体業界ではTSV(Si貫通ビア)でチップ間を接続する3次元LSIの要素技術開発が盛んに行われている一方で、「実際に動作するチップを試作できる環境は少ない」(小柳氏)。3次元LSIの開発を加速するためには、少量でも手軽に試作できる環境が必要との考えから、GINTIを立ち上げた。

 GINTIのクリーン・ルーム面積は1500m2で、試作能力は300mmウエハー換算で約1000枚/月。量産は想定しておらず、あくまでも開発段階での試作用ラインという位置付けだ。導入済みの製造装置は、TSV形成に使うディープSi/SiO2エッチング装置(SPPテクノロジーズ製)や、i線ステッパ装置(キヤノン製)、ウエハー端部トリミング装置とウエハー研磨装置(いずれもディスコ製)、ウエハー支持基板(サポート材)の仮接合/剥離装置(東京応化工業製)など。これらの装置の一部は3次元LSI用にカスタマイズされており、例えばi線ステッパにはSiを透過して表側との位置合わせが可能な赤外線を用いた、位置合わせシステムを搭載した。

 現在はTEGによる評価を行っており、今後は3次元LSIの試作や信頼性の評価を請け負うサービスを本格化する。3次元LSIの試作や評価は、東北大学および同大学発のベンチャ企業である東北マイクロテックが中心となって行う。当面は「3次元LSIのアイデアを持ちながらも、自前の製造能力を持たず、アイデアを形にすることに困難を感じているファブレス企業などからの受注を目指す。彼らにとっては、開発段階から大手ファウンドリー企業に生産を委託することはしきいが高く、試作コストもかさむ」(GINTI副拠点リーダーの李康旭氏)。

 みやぎ復興パークは、東日本大震災で被災した東北地方の企業の早期復興を目的として、ソニーが同社 仙台テクノロジーセンターの敷地の一部を公益財団法人「みやぎ産業振興機構」に貸与したもの。今回の記念講演会で主催者側代表として挨拶した東北大学 理事の伊藤貞嘉氏は「GINTIは新たな雇用を生む可能性を持つ拠点でもあり、東北の企業の早期復興のためにぜひ活用してほしい。GINTIが震災からの復興と“ものづくり日本”の復活の象徴となることを願う」と話した。同じく記念講演会に登壇した経済産業省 東北経済産業局長の守本憲弘氏は、日本の製造業が「生産拠点の海外シフトが進むなど厳しい状況に置かれている」とした上で「GINTIではそれを乗り越えて“倍返し”以上の成果を挙げてもらいたい」と期待を示した。

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