「LSIとシステムのワークショップ2013」(電子情報通信学会集積回路研究専門委員会(ICD)が主催)が、2013年5月13日(月)~15日(水)に北九州国際会議場で開催される。全体のテーマは「日本半導体産業の新展開に向けて」である。

 半導体関連技術だけではなく、日本半導体産業の課題や、半導体研究開発戦略、他国の戦略、他業種の戦略などにも目を向ける。日本の半導体産業を多角的な視点でとらえた講演・パネルを通じて、日本半導体産業の今後の展望を議論する。

 初日の13日は、日本半導体産業全般にかかわる5件の招待講演が行われる。国際技術ジャーナリスト津田建二氏と産業タイムズの泉谷渉氏は、ジャーナリストの目で見た世界情勢を元に、日本半導体産業の拡大に向けた提言を行う。一橋大学の延岡健太郎氏は、電機・電子産業分野における優れた“ものづくり”をいかに経済的価値に結び付けていくかを説く。また、他業種からのヒントとして、素材メーカーである東レの研究開発戦略の紹介を同社の北野晃彦氏が、自動車産業の競争戦略の紹介を東京大学の藤本隆宏氏がそれぞれ行う。

 2日目の14日には、8件の招待講演とパネル・セッションが予定されている。前半5講演はパネル・セッションのパネリストによる講演である。それぞれのテーマ(講師)は、国の半導体政策(経済産業省の師田晃彦氏)、IT企業がとるべき今後のグローバル戦略(三菱商事の岩野和生氏)、ソニーのイメージ・センサー事業戦略(ソニーの上田康弘氏)、ビッグ・データにおける半導体の役割(九州大学の安浦寛人氏)、低消費電力設計技術およびプラットフォーム戦略(東京大学の桜井貴康氏)である。

 これらの5講演はパネルのポジション・トークも兼ねている。後半3講演では、キャノンの南谷崇氏が日本の技術シーズと世界の社会ニーズから競争力強化に向けた技術開発の課題を説き、一橋大学の米倉誠一郎氏が成長戦略についてイノベーションの観点から提言を行い、最後にパナソニックの道山淳児氏が、同社の目指すスマート・ライフ・ソリューションを語る。

 パネル・セッションでは、初日、2日目の各講演を受けて、「日本半導体が進むべき道をはっきりさせよう」と題した討論が行われる。日本の半導体産業が世界シェアを奪還するためになすべきことを、技術面の方向性に加え、経営面、文化面等含めて討論し、明らかにしていく。モデレータは津田氏であり、パネリストには泉谷氏も加わる。

 最終日の15日には、「最近のISSCCに見る各技術分野の動向」と題して、8つの技術分野(プロセッサ・デジタル、メモリ、有線通信、無線通信、A/Dコンバータ、ミリ波、イメージセンサ、新規回路)についての技術講演が予定されている。いずれもISSCC委員による講演である。ISSCC発表技術紹介にとどまらず、その延長線上にある技術トレンドについても言及する。

 詳細はLSIとシステムのワークショップのホームページで公開中である。事前参加登録により参加費割引があるので、早めの参加登録をお勧めする。事前参加登録締切は4月22日(月)まで。