放送コンテンツの録画・再生フローのイメージ NSMのデータ。
放送コンテンツの録画・再生フローのイメージ NSMのデータ。
[画像のクリックで拡大表示]
セキュアIDの利用フロー NSMのデータ。
セキュアIDの利用フロー NSMのデータ。
[画像のクリックで拡大表示]

 東芝は、次世代コンテンツ保護技術「SeeQVault(シー・キュー・ボルト)規格」に準拠したmicroSDHCメモリカードを発表した(ニュース・リリース)。AV機器メーカーなど向けに2013年3月下旬からサンプル出荷を開始する。

 SeeQVaultは、HD画質のコンテンツをメモリカードなどの記録媒体に保存する際のコンテンツ保護技術である。パナソニックと韓国Samsung Electronics社、ソニー、東芝が開発し、4社が結成したNSM(Next Generation Secure Memory Initiative)LCCがSeeQVaultのライセンシングを行う。NSMは2013年2月25日にSeeQVaultのライセンシングを開始したことを発表している(ニュース・リリース)。東芝は、NSMからライセンシングを受けて、SeeQVault準拠のmicroSDHCメモリカードを製品化した。

 東芝によれば、HD画質の放送コンテンツやネットワーク・ダウンロード動画をメモリカードに保存する場合、現在はコンテンツ保護の観点からSD画質でのみ可能で、HD画質での保存はできない。SeeQVault規格に準拠したメモリカードと機器によって、それを可能にする。同社は、SeeQVault規格に準拠したメモリカードのサンプル品の提供を通じて、同規格の普及拡大に向けた対応機器開発を推進したいという。今後、SeeQVault規格の普及により、液晶テレビやブルーレイ・レコーダーでSDメモリカードに録画したHD画質のコンテンツをスマートフォンやタブレットなどで楽しむことができるようになるとする。

 今回、サンプル出荷を開始するmicroSDHCメモリカードのメモリ容量は16Gバイトと32Gバイトの2種類である。転送速度はUHS-Iに対応し、UHS Speed ClassはU1に対応している。最大書き込み速度は20Mバイト/秒で、最大読み出し速度40Mバイト/秒である。新製品は、SDメモリカード規格Ver.2.0に準拠したmicroSDHCメモリカードなので、従来のSDHC対応機器でも、これまでのmicroSDHCメモリカードと同様に利用できる。また、従来のSDメモリカードに搭載されているCPRM技術も搭載しているため、これまでのCPRM対応機器での利用も可能だという。