図 決算会見の様子
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 ソニーは、2012年度第3四半期(10~12月期)の連結決算結果を発表した。売上高は前年度同期比6.9%増の1兆9480億円、営業利益は前年度同期の917億円の赤字から464億円の黒字に改善した。

 増収となったのは、液晶テレビの販売台数減やゲーム分野などにおける大幅な売り上げ減があったものの、モバイル・プロダクツ&コミュニケーション(MP&C)分野や映画分野、金融分野において売り上げが伸びたからである。MP&C分野では、主に、前年度同期は持分法適用会社だった日スウェーデン合弁Sony Mobile Communications社(現在、本社機能は日本)が、2012年2月に100%子会社として連結された影響により、大幅な増収となった。

 営業利益については、ゲーム分野が大幅減益になったものの、イメージセンサが大幅増収になったデバイス分野や、映画作品の売り上げが大幅に増加した映画分野が損益改善に寄与した。加えて、持分法による投資損益が改善したことも増益に貢献している。

 以降では、エレクトロニクス部門に関する分野別の業績結果を示す。イメージング・プロダクツ&ソリューション(IP&S)分野では、売上高が前年度同期比4.7%減の1805億円になった。減収は、主にスマートフォンの普及の影響により低価格帯モデルの市場が縮小したコンパクト型デジタルカメラの売上台数の大幅な減少や、放送用・業務用機器の大幅な減収による。レンズ交換式一眼レフ・カメラは大幅な増収となった。同分野の営業損益は、前年度同期比で39億円改善したが、29億円の赤字だった。この損益改善は、前述の減収の影響があったものの、主に販売費や一般管理費が減少したことによる。

 ゲーム分野では、売上高が前年度同期比15.1%減の2685億円となった。「プレイステーション 3(PS3)」ならびに「プレイステーション・ポータブル(PSP)」のハードウエアおよびソフトウエアの減収により、分野全体で大幅減収となった。同分野の営業利益は前年度同期比で292億円減少し、46億円だった。この減益は、主に前述のPS3ソフトウエアおよびPSPハードウエアの減収の影響による。

 MP&C分野では、売上高が前年度同期比94.4%増加し、3188億円だった。販売台数の減少によるパソコンの大幅な減収があったものの、2012年2月にSony Mobile Communications社が100%子会社として連結された影響などで増収となった。同分野の営業損益は、前年度同期に比べ271億円改善したが、213億円の赤字だった。この損益改善は、主に、前年度同期には、ソニー・エリクソンの繰延税金資産の一部に対して計上した評価性引当金330億円が持分法による投資損失に含まれていたことによる。