三菱電機の新型のサイクロン式掃除機「TC-ZXC30P」(右から二つ)と「TC-ZXC20P」(左から二つ)
三菱電機の新型のサイクロン式掃除機「TC-ZXC30P」(右から二つ)と「TC-ZXC20P」(左から二つ)
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最終捕集率の比較
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集じん室の風速比較
集じん室の風速比較
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ULPAフィルタの採用
ULPAフィルタの採用
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旋回室の1シリンダー化
旋回室の1シリンダー化
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他社の掃除機との重さの比較
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 三菱電機は2013年1月28日、新型のサイクロン式掃除機「TC-ZXC30P」と「TC-ZXC20P」の2機種を発表した。同年3月1日に発売する。

 今回のモデルは、三菱電機の掃除機開発80周年を記念するもの。吸引力やきれいな排気という掃除機本来の機能を同社の従来型のサイクロン式掃除機よりも向上させつつ、小型・軽量化を達成した。吸気と排気を比較し、ゴミがどれだけ捕集できたかを表す最終捕集率が99.999%(TC-ZXC30Pの場合)、本体の重さが3.8kgとなった。従来のTC-ZXB17Pではそれぞれ99.99%、4.9kgだった。「他社の製品は掃除機がコンパクトになると性能が低下するが、TC-ZXCシリーズではこれを両立さており、業界初の快挙」(同社)とする。

 最終捕集率が向上したのは、集じん室の風速を低下させ、モータ室の後段へのULPA(ultra low penetration air)フィルタの採用したためである。集じん部分はゴミをためておく部分なので、空気の流れは少ないほどよい。従来機種では集じん室に風速8m/sの風が流れていたのに対して、今回、構造を工夫することで2m/sに抑えた。

 ULPAフィルタは0.15μmの粒子に対して99.9995%以上の粒子捕集率を持つものである。従来のHEPA(high efficiency particulate air)フィルタに比べて細かい粒子を捕捉できる。なお、新製品であっても、下位機種のTC-ZXC20Pはモータ室の後段にHEPAフィルタを採用しているため、最終捕集率が99.99%にとどまっている。

 軽量・小型化は部品の材料や寸法、構造を見直すことで達成した。特に大きく寄与したのが、旋回室の構造である。従来は旋回室の長さを短縮するために、二段の旋回室を持つ構造を採用していた。今回、外縁部から旋回室に風を別途送り込む構造を採ったことで旋回風速を90m/sに向上でき、旋回室を一つにすることができた。従来品は48m/sにとどまっていた。

 旋回室が小型化したことで本体の底面積が従来品よりも24%削減した。さらに、本体にカーボン含有樹脂を使うことや、モータの外装材やフレームを従来の鉄からアルミに変更することで、全体として従来品よりも22%軽量化した。

 価格は、TC-ZXC30P、TC-ZXC20P共にオープンだが、店頭予想価格はそれぞれ8万円、6万円程度という。