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「LSI設計者のスキル向上を目指して導入した資格試験が、思わぬ効果をもたらしている」。このように驚くのは、シキノハイテックの福田憲司氏(デバイス事業本部第二技術部部長)だ。同社は、JPEGによる画像圧縮処理IPコアの最大手で、東京と大阪に合わせて約70名のデジタル技術者を抱える。JPEGの新規格への対応や画像処理システム向けLSI設計を続けている。2012年にはシンガポールに新会社を設立して国際展開を図っている。大阪を中心に技術者を率い、シンガポール法人の役員を務める福田氏に人材育成術について聞いた。

LSI設計の資格試験を技術者のスキルアップに活用していると聞きました。

 当社で作成した問題で試験を実施するなどして、技術者のスキルを向上させる試みを続けてきました。その後、試験サービスがあることを知り、2011年7月から現在の制度(「ESA」)を導入しています。目的は、設計品質の向上です。従来、管理者が、技術者のキャリアアップのために面談を実施するなどして指導していました。各技術者のキャリアプランを指導していくには、現状(のスキルレベルの)認識が欠かせません。その意味で資格試験制度は活用しています。各技術者の具体的な目標が立てやすくなりました。