――コンティニュア・ヘルス・アライアンスで共通化される規格や枠組みは、エンドユーザーや機器ベンダーにとってどのようなメリットがあるのでしょうか。

Chuck Parker氏

 Parker氏:ユーザーにとってのメリットは、つなげばすぐに使えるという相互運用の利便性にあると思います。コード入力や接続設定などを必要とせず、ソフトウエアをダウンロードするだけで端末が使えるようになる。このシンプルさが一番のメリットでしょう。例えば、携帯電話を新しい製品に変えてしまうと、血圧計や血糖値計などと連携するための接続設定を毎回やり直す必要がありました。コンティニュアが提供する共通の「ヘルスデバイスプロファイル」を用いれば、iPhoneでもAndroidでも、どれでも簡単につなぐことができます。

 McClellan氏:機器ベンダーの側から見ると、直接的な製造コストにはあまりメリットがないかもしれません。しかし、標準化されることでユーザーの選択肢が広がり、端末を購入するユーザーが増えるのではないでしょうか。多くの端末が売れれば、全体的なコストはそれだけ下がると思います。これは、爆発的な普及によってハイスペックな携帯電話を安く購入できるようになったのと同じこと。この標準化をヘルスケアの分野で推し進めるのが、我々の活動だと思っています。

――日本は先進国でいち早く高齢化社会を迎えています。高齢者医療に対しては政府も国民も大きな興味を持っていますが、コンティニュア対応製品のビジネスチャンスはどこにありますか。

 Parker氏:長期的な観点からみると、計測器を製造する機器ベンダー以外に、関連サービスを提供する企業などにもビジネスチャンスがあると思います。ひとつのモデルケースとしては、在宅のまま高齢者をモニタリングし、その情報を医師にフィードバックするサービス。その情報は計測器で測定したデータだけでなく、それ以外のさまざまな情報も提供することで、医師は患者に対して多様な指示ができるようになります。在宅医療であれば病院へ入院するよりも医療コストは全体的に下がりますし、家族と一緒にいることでより効果的な治療ケアにつながると思います。

 また、モニタリングした情報を高齢者本人だけに伝えるのではなく、別の場所にいる家族や介護者などに提供することも可能でしょう。こういったところにも、ビジネスチャンスは生まれるのではないでしょうか。