NTTは、同社のアクセス系技術の講演会・展示会「つくばフォーラム 2012」(2012年10月18、19日、つくば市)において、道路上を走る自動車からマンホール内センサと通信する研究中のシステムを展示した。マンホールに与えられた振動やマンホール内の温度・湿度などを収集することで、マンホールの劣化の度合いを推定することを狙う。
展示したシステムのセンサ・モジュールはマンホール内に埋め込まれており、無線機と無線機のスイッチとなるRFIDを持つ。一方、自動車には底面にRFID用のアンテナ、受信機などを搭載する。
自動車のRFID用のアンテナからは常に125kHzの電波が発せられている。これをマンホール内の受信機が受けると、送信機が起動し、センサ・モジュールに蓄積したデータを送る。展示ではマンホールのフタをハンマーでたたき、そのたたかれた回数をデータとして送っていた。
無線機に使う周波数は426MHz、通信速度は2400ビット/秒である。これを自動車の受信アンテナで受け、位置や時間とともに記録する。マンホールに埋め込むセンサ・モジュールはボタン電池1個で5年動作することを目標にしている。
実用化時期は未定。「システムとしてはほぼ出来上がっているものの、信頼性の向上や劣化を推定するのに必要な情報の見極めなどが今後必要になる」(説明員)という。