図1 キヤノンのブース
図1 キヤノンのブース
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 キヤノンは、世界最大級のカメラ関連の展示会「photokina 2012」(開催期間2012年9月18~23日、ドイツ・ケルン)の開催に合わせて、コンパクト型デジタル・カメラの新製品を5機種発表した(図1)。

 注目は無線LAN機能を搭載してスマートフォンとの連携を強化した「PowerShot S110」、
「Gシリーズ」として世代を重ねている高級機「PowerShot G15」の二つ。

GPS機能は省略


 PowerShot S110は2011年12月に発売した「PowerShot S100」の後継機で、無線LAN機能を搭載したことが大きな変更点である(図2、3)。2012年10月中旬に発売予定。価格はオープンで、想定実売価格は約5万円の見通し。

 無線LANを搭載し、専用のアプリケーション・ソフトウエア(アプリ)を介することでスマートフォンと接続する。デジタル・カメラとスマートフォンの間で画像をやりとりできる。一方で、従来機のS100に搭載していたGPS機能は省略した。スマートフォンが取得するGPS情報を、専用アプリを利用して撮影画像に自動的に付加する方法を採った。

可動式の液晶を廃止して小型化


 PowerShot G15は、2010年10月に発売した「PowerShot G12」の後継機種である(図4)。2012年10月中旬に発売予定。価格はオープンで、想定実売価格は約6万円の見通し。

 従来機のG12から小型化し、手に収まるほどになった。可動式の液晶ディスプレイの廃止などが寄与し、厚さは8.2mm薄くなっている。外形寸法は106.6mm×75.9mm×40.1mm。

 光学レンズは焦点距離が28~140mm相当(35mm判換算)の光学5倍ズームで、開放F値はF1.8~2.8である。撮像素子は、1/1.7型で有効約1210万画素のCMOSイメージ・センサを搭載する。

「世界初」の光学50倍ズーム


 この2機種の他、photokinaのキヤノン・ブースでは高倍率ズーム機「PowerShot SX50 HS」への関心が高かった(図5)。高倍率ズーム機は、他の地域に比べて特に欧州で人気が高いジャンルである。

 SX50 HSは、「世界初」(キヤノン)とする光学50倍ズームを備える機種。焦点距離は24~1200mm相当(35mm判換算)で、開放F値は3.4~6.5。外形寸法は122.5mm×87.3mm×105.5mmで、充電池やメモリ・カードなどを含む質量は約595g。2012年9月27日に発売予定。価格はオープンで、想定実売価格は約6万円の見通し。

図2 無線LAN機能を搭載する「PowerShot S110」
図2 無線LAN機能を搭載する「PowerShot S110」
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図3 PowerShot S110はタッチパネル式の液晶ディスプレイを備え、再生画面で画像の下から上そして右になぞるとスマートフォンに転送する
図3 PowerShot S110はタッチパネル式の液晶ディスプレイを備え、再生画面で画像の下から上そして右になぞるとスマートフォンに転送する
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図4 高級機の「PowerShot G15」
図4 高級機の「PowerShot G15」
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図5 50倍の光学ズームを備える「PowerShot SX50 HS」
図5 50倍の光学ズームを備える「PowerShot SX50 HS」
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