電子番組ガイドの配信技術を手掛ける米Rovi社は、同社の動画ストリーミング技術「DivX Plus Streaming」が、ドイツの家電量販大手で映像配信サービスを運営するMedia Markt社に採用されたことを発表した。
DivX Plus Streamingは、ストリーミング配信技術でありながら、Blu-Ray Discプレーヤーと同様の操作性を実現できる点に特徴がある。例えば、映像コンテンツ中に字幕を挿入する機能や、チャプタ分割機能、2倍速や4倍速、8倍速などの早送り操作などが可能である。いわゆる適応型ストリーミング技術であり、伝送路の品質が安定していないサービス地域でも利用できるように、活用できる帯域幅にあわせて伝送データの量を適応的に変動できる。あらかじめ符号化率の異なるデータを用意しておき、伝送路の帯域変動にあわせて送出することで、ストリーミング映像が停止しないようにしている。フルHD映像伝送にも対応する。DivX Plus Streamingはこれまでに、米Broadcom社と台湾MediaTek社、ルネサス エレクトロニクスなどが、映像処理向けSoCなどで対応している。
Media Market社は以前からRovi社の技術を採用していたが、今回DivX Plus Streamingに対応することで、よりサービスの幅を広げられるという。Media Markt社は、欧州最大級の家電量販店で、ドイツ国内だけで245店舗、欧州およびアジア地域をあわせると657店舗に上る。
IFA 2012の会場では、Rovi社のブースで、Media Market社の映像配信サービスの操作法などを実演した。HD映像の視聴中に異なるチャプタに飛ばしたり、字幕を挿入するなどの操作が自在に実現できることを示した。Rovi社はこのほか、電子番組ガイド「Rovi TotalGuide」の最新版を展示している。同社の電子番組ガイドは、米国市場で既に4000万世帯を超えるユーザーを獲得しており、広告プラットフォームとしての位置づけも高まっているという。最新版は、テレビ画面を視聴しながら、タブレット端末やスマートフォンの画面などで電子番組ガイドを表示して操作可能にしている。
