決算会見の様子
決算会見の様子
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 NECは2012年度第1四半期(4~6月期)の連結決算結果を発表した。売上高は前年同期比5.6%減の6315億円。営業損益は、194億円の赤字を計上した前年同期に比べて116億円改善したものの79億円の赤字となった。NECによれば、当第1四半期の世界経済は、米国において企業の業績や個人消費が改善に向かい、緩やかな景気回復が続いたものの、全体としては欧州における財政危機問題の再燃を受けて景気が減速したという。一方、日本経済は、震災の復興需要などが下支えとなり、堅調に推移したとする。設備投資は円高や電力不足などの影響もあって回復が緩やかだったものの、自動車販売などを中心に個人消費が堅調に推移したという。輸出は「米国向けが堅調だったが、欧州・中国向けが減速した」(NEC)。

 このような環境の下、NECが減収となったのは、ITソリューション事業やキャリアネットワーク事業が増収となった半面で、個人向けパソコン事業の非連結化などにより、パーソナル・ソリューション事業が減収になったことなどによるという。営業損益に関しては、原価率の改善や販売費および一般管理費の効率化などにより、前年同期よりは改善した。

 NECは、同社が株主であるルネサス エレクトロニクスへの支援の内容が決まったことも明らかにした。「我々は、株主としてよりは、重要なビジネスパートナーとしてのスタンスで支援を行う。ルネサスが実行しようとしている構造改革をしっかりと成し遂げて、我々にきちっと製品を提供してもらうため、175億円を保証金として差し出す。我々は融資という名目ではなく、あくまで保証金と位置付ける。支援の実行日は2012年10月初めになる」(NEC)と述べた。この保証金はルネサスに返済義務が生じるという。