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 東芝メディカルシステムズは、業界最大の320列の検出器を備えるX線CT装置の最上位機種「Aquilion ONE」に対して、より高速な撮影や低被曝化などを実現した新機種「Aquilion ONE / Vision Edition」の国内販売を2012年7月1日に始める。Aquilion ONEは今後、従来機種との2ラインアップ構成とし、地域中核病院から大学、研究施設まで、幅広い用途に向けた普及を目指す。

 新機種の主な特徴は、以下の通りである。

■1回転を0.275秒で撮影
 1回転(160mm幅)の最大速度を、従来の0.35秒から0.275秒に高速化した。これにより、心拍数75bpmまでの心臓の拍動スキャンに対応できるようになり、心臓CT検査の適応範囲が拡大するという。動きの抑制が困難な小児や救急検査においても、撮影精度の向上が図れるとする。

■検出器とX線管を新たに開発
 今回の320列の検出器は、新たに設計したデータ収集装置(DAS)を備えることにより、最大2910ビュー/秒のデータ収集レートと、25Gビット/秒のデータ伝送を実現した。また、新開発のX線管によって、最大900mAの出力を得ることが可能になったという。

■低被曝化技術「AIDR 3D」を標準搭載
 (1)のように高速撮影が可能になったことで線量の低減が実現することに加え、逐次近似再構成法の原理を応用した同社の低被曝化技術であるAIDR 3Dを搭載する。患者の体型に合わせてスキャン画像から最適な線量を連続的に調整するVolume ECとの連動も可能なため、さらなる低線量での検査が実現するという。