• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

お薦めトピック

ヘルスケア・サービスの利用シーン(3) ――女性のアンチエイジング・ニーズを捉える

2012/06/21 14:51
笹木 雄剛=テクノアソシエーツ

高まるアンチエイジング・ニーズ

 ヘルスケア市場における新たなターゲットとして女性の存在感が高まっている。ダイエットやスキンケアといった美容との関連で健康を意識する女性が多く、「美容と健康」を兼ね備えた商品やサービスが人気を博している。

 中でも、特に注目されているのがアンチエイジング・ニーズの高まりである。アンチエイジングは疾患の予防や健康増進につながるだけでなく、美容面でも大きな効果が期待できる。例えば、加齢による体の変化は、疾患だけでなく、シワやシミ、たるみといった肌の老化として表れる。肌のアンチエイジングは、見た目に反映されやすく、毎日の化粧を通じて効果を体感しやすい。そのため、モチベーションが持続する傾向があり、ヘルスケア・サービスの難点である「継続性」を維持しやすい。

カギを握る女性ホルモンのコントロール

 アンチエイジングに高い関心を示しているのは、女性ホルモンの減少によって様々な不調や老化現象を感じている40代以降の女性が中心だ。女性ホルモン(エストロゲン)は、内臓肥満や血管の衰え、肌の乾燥など、様々な不調・老化要因から女性の体を守っているが、40歳を過ぎた頃から減少し始め、閉経とともに激減する。閉経前後は更年期症状、その後は動脈硬化や生活習慣病などにかかりやすくなり、そのコントロールはアンチエイジングのカギとなる。

 女性ホルモンが減った後は、その代わりに働く体のホルモン力を高めることが大切になる。一般的に食生活の工夫や適切な運動、睡眠などが効果的とされるが、女性ホルモン・レベルを正確に把握することができれば、日々の管理が的確にできる。医療機関では、血液検査や尿検査によって女性ホルモン濃度を測定しているが、在宅でも測定可能になれば、40代、50代女性の健康管理は、大きく様変わりする可能性を秘める。

トイレで女性ホルモンをセルフチェック

 在宅で測定するためには、非侵襲(採血なし)で女性ホルモン・レベルを測定する必要がある。例えば、測定センサーとトイレを一体化したシステムで、尿中に含まれる女性ホルモン、または分泌に関連するホルモンを測定できれば、家庭でも簡単に女性ホルモン・レベルを把握できる。さらに、ホームサーバーを通じて利用者のパソコン(PC)やスマートフォン(スマホ)に送信し、日々の変化を継続的に記録・管理していけば、データに基づいて、最適なアドバイスや食事、運動といった生活習慣の留意点などを伝えることができる。こうした環境を実現すれば、普段の生活を変えずに、女性ホルモン・レベルを測定でき、更年期の不調に対処することが可能だ(図1)。

更年期女性向けヘルスケア・サービスの利用シーン例
図1 更年期女性向けヘルスケア・サービスの利用シーン例 「自宅でできる“メノポチェック”」
(テクノアソシエーツ「ヘルスケア産業はこうすれば立ち上がる」より)

 技術的には、尿には様々な成分が含まれるので、特異的に女性ホルモンを測定するセンサー技術、毎日の測定にも対応できる耐久性、再現性の高さ、初期費用や消耗品の低コスト化などが求められる(図2)。ただ、女性ホルモン・レベルの測定が必要な時期は、閉経前後の10年程度とされる。尿糖値や尿温度など、更年期以降を見据えた測定項目の拡張も視野に、製品・サービスを設計する必要があるだろう。

図2 尿中の項目を測定できる製品事例
[画像のクリックで拡大表示]

 更年期症状以外にも、スキンケアやダイエット、メンタルヘルスなど、アンチエイジングに対する女性のニーズは高い。「健康や美しさを維持しながら老いを重ね、QOL(生活の質)や充実感を保つ」というアンチエイジングの認識が広まり、「ライフスタイル」の一環として定着が進む中、新たなヘルスケア・ソリューションの創出が期待されている。

日経デジタルヘルス Special

記事ランキング