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 「TD-LTEは『long term evaluation』(いつまで経っても評価中)と皮肉を言われることがあるが、日本では既にTD-LTEの商用サービスが始まっている。この会場にいる人は、日本に来れば対応製品を貸し出すので、ぜひ体験してほしい」。ソフトバンクモバイル 取締役特別顧問の松本徹三氏は、中国・上海で開催中のイベント「2012 Mobile Asia Expo」に合わせて開催されたTD-LTE関連のイベント「GTI(Global TD-LTE Initiative)Asia Conference」での講演でこう語った。同氏は、同年秋にTD-LTEに対応したスマートフォンを発売することも明らかにした。

 ソフトバンクグループのWireless City Planning(WCP)は、2012年2月にTD-LTEの商用サービス「AXGP(SoftBank 4G)」を開始している。松本氏によると、既に10万人以上のユーザーが40以上の日本の主要都市で利用しているという。

 現在の対応製品はセイコーインスツル製の「ULTRA WiFi 4G SoftBank 101SI」だけだが、2012年8月には中国Huawei Technologies社の製品と中国ZTE社の製品が追加される。現行製品のデータ転送速度は75Mビット/秒だが、Huawei社の製品は110Mビット/秒の通信に対応する。

 さらに、2012年9~11月には、TD-LTEに対応したスマートフォンも発売予定だという。Huawei社の製品で、110Mビット/秒の通信に対応する。「2012年中にTD-LTEに対応した製品をもう2~3機種出したい。2013年には、当社のほとんどのスマートフォン・ユーザーがTD-LTEサービスを利用できるようになる」(松本氏)。

 同社は、日本だけでなく、将来はローミングにより海外でもTD-LTEを利用できるようにする計画だ。現在、日本と中国の間のローミングを中国China Mobile社と検討しているという。