調印式の様子。中央左が青森県知事の三村氏、中央右がGEヘルスケア・ジャパンの川上氏
調印式の様子。中央左が青森県知事の三村氏、中央右がGEヘルスケア・ジャパンの川上氏
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今回用いる小型のドクター・カー
今回用いる小型のドクター・カー
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 GEヘルスケア・ジャパンは、小型のドクター・カーを用いて保健・医療・福祉の包括ケアを提供する共同実証プロジェクト「ヘルスプロモーションカーモデル実証プロジェクト」を、2012年6月13日に青森県東通村で開始した。同日、同社は青森県と東通村、東通地域医療センターと基本合意書に調印した。こうした取り組みは、「国内初」(GEヘルスケア・ジャパン)になるという。

 プロジェクトで用いる小型のドクター・カーは、携帯型の超音波診断装置や小型生体情報モニタなど、携帯型の医療機器を搭載できる4輪駆動の軽ワゴン車「元気ですカー(愛称)」。東通村保健福祉センターに配備し、訪問診療や健康診断支援、医師派遣などに使う。さらに、ICTの活用によって、地域の中核病院と小規模病院、診療所、介護・福祉施設などのネットワーク化を視野に入れた医療・健康・福祉サービスの向上効果についても実証する計画である。

 青森県は、今回のプロジェクトを通して、地域医療機関や介護施設のニーズの検証や、へき地医療、若手医師育成における有効性、有効な連携範囲と推進体制の在り方、県内企業開発製品・技術の活用可能性の検証などを探る考え。同県では2011年11月に「青森ライフイノベーション戦略」を策定し、国内の他の自治体に先駆けてライフ関連産業の振興を強力に推進している。

 青森県知事の三村申吾氏は、「今回のプロジェクトが、村民や県民の皆さんのQOLやGNH(幸福度)の向上にも大いに貢献し、将来的には青森の企業が持つ独自技術がこの『ヘルスプロモーションカー』と共に、協力企業などを通じて世界に発信されることで、地域の産業振興や経済活性化に資するものと考えている」と語った。

 GEヘルスケア・ジャパンは2012年2月、青森県内の企業とビジネス・マッチングを図るためのイベント「GE Day in AOMORI」を開催するなど、青森県と密接な関係を築いている。同社 代表取締役 社長兼 CEOの川上潤氏は、「この実証プロジェクトで蓄積した知見を国内外に幅広く発信することで、今後の超高齢社会にふさわしい新たな医療ソリューションを開発する」と語る。