会場付近の様子
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会場入り口付近の様子
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会場周辺のホテルも既にE3モード
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 2012年6月5~7日(現地時間)、ゲーム関連で世界最大級の展示会「Electronic Entertainment Expo(E3)」が米国ロサンゼルスで開催される。E3は毎年6月ごろに開かれ、新型ゲーム機や新作ゲーム・ソフト、そして各種ゲーム機を利用したサービスなどについて毎年発表される。その年のゲーム商戦を占う上で、重要なイベントになっている。

 今年のトピックは、少なくとも三つある。第1に、任天堂の据置型ゲーム機「Wii」の後継機「Wii U」の詳細仕様が明らかになること。Wii Uは、6.2型のディスプレイを備えたタブレット型のコントローラ端末を備える。このコントローラのディスプレイと、Wii U本体を接続するディスプレイの二画面を利用してゲームを楽しむ。
 任天堂は、2011年度通期には上場以来初となる赤字に転落するなど、その業績は振るわない。それだけに、Wii Uが苦境を脱するための切り札になるかどうか、注目を集めている。

 なお、任天堂は、現地時間6月5日午前9時からE3の会場付近でカンファレンスを開催予定。加えて、これに先立ち、インターネット放送「ニンテンドーダイレクト Pre E3 2012」を日本時間6月4日午前7時に行う予定。ここでも、Wii Uに関する新情報を明らかにするという。

 第2のトピックが、ソーシャル・ゲームだ。今回のE3にグリーが初出展する。海外戦略に注力している同社だけに、その動きに注目が集まっている。ゲーム・パブリッシャーも、ソーシャル・ゲームのタイトルを多数発表するとみられる。

 第3のトピックが、米On Live社や米Gaikai社などが手がけているクラウド型のゲーム・サービスである。同ゲームでは、クラウド側にあるサーバーでゲームの演算処理を行い、その結果を映像として、タブレット端末などのクライアント機器に伝送する。その際、H.264などの符号化処理を行って映像データを圧縮してからクライアント機器に送る。クライアント機器では、送られてきた映像データを復号化処理して、ディスプレイに表示する。その表示された映像をユーザーが見て、クライアント機器を操作し、その操作データを再びクラウド側のサーバーに送信して、ゲームをプレイする。

 クラウド型のゲームは、処理の大部分をサーバー側で行うので、クライアント機器に高い処理性能を求めず、スマートテレビやセットトップ・ボックス( STB)、パソコン、タブレット端末、スマートフォンなど、ゲーム専用機でなくても高画質のゲームを楽しめる。E3では、このクラウド型ゲームサービスに注目が集まりそうだ。

 クラウド型ゲーム・サービスに関しては、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が、On Live社、あるいはGaikai社と何らかの形で提携するのではないか、という憶測がゲーム業界の媒体を中心に広がっている。

 なお、SCEは、E3開催前日の6月4日夕方からプレス・カンファレンスを開催。「販売状況が振るわない」(ゲーム業界関係者)とされる携帯型ゲーム機「PlayStation Vita」に関して、どのような対策を講じるのかについても、注目される。

 この他、米Microsoft社も、E3開催前日の6月4日の朝からプレス・カンファレンスを行う。据え置き型ゲーム機「Xbox 360」の後継機は発表されないもよう。だが、Xboxプラットフォームを用いた新しいサービスや、ジェスチャー入力コントローラ「Kinect for Xbox 360」向け新作タイトル、そしてWindows 8との連携などについて、発表することになりそうだ。