今回の製品の概要 NECのデータ。
今回の製品の概要 NECのデータ。
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M2M展のブースの展示 赤い矢印の先が「M2Mモジュール」のコントローラ側のボード。緑の矢印の先は「M2Mモジュール」の機器側のボードの評価ボード。その右に四つ並んでいるのが、機器側のボード。黄色い○で囲んだのが、コントローラと機器側ボードをつなぐサブボード・タイプの通信モジュール。その右下に並んでいるのが、無線通信モジュール。Tech-On!が撮影。
M2M展のブースの展示 赤い矢印の先が「M2Mモジュール」のコントローラ側のボード。緑の矢印の先は「M2Mモジュール」の機器側のボードの評価ボード。その右に四つ並んでいるのが、機器側のボード。黄色い○で囲んだのが、コントローラと機器側ボードをつなぐサブボード・タイプの通信モジュール。その右下に並んでいるのが、無線通信モジュール。Tech-On!が撮影。
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 NECは、既存機器が備えるセンサーからのデータを収集するためのモジュール(ボード)のセットである「組込みM2Mモジュール」を開発し、東京ビッグサイトで開催された「第1回ワイヤレスM2M展」(2012年5月9日~11日)に出品した。同社は、このモジュールの販売も開始した(ニュース・リリース)。

 ビッグ・データやM2M通信などをキーワードとして、さまざまなシーンで使われている機器が備えるセンサーからのデータ収集に注目が集まっている。しかし、データ収集のためだけに機器を新調する可能性はそれほど高くはない。既存の機器を使いながら、データ取集を簡単に効率良く行うことを狙って開発したのが、今回の新製品である。

 複数の機器のセンシング情報を集めるので、いわゆるセンサー・ネットワークを構築する。さらに、集めた情報などを元に機器を制御する機能も備えている。この意味では、新製品は、計測・制御システムを構築するための手段と言える。

 今回の組込みM2Mモジュールは、機器側のボードと、全体の制御を担うコントローラのボードからなる。端末側のボードと、コントローラ側のボード間は、900(920/950)MHz帯/2.4GHz帯/ZigBeeなどの無線通信に加えて、RS-485などの有線で接続等することも想定している。通信方式は機器側のボードのサブ・ボードを変更することで、選択できる。また、コントローラ・ボードには「組み込みコンピュータ機能を備えており、PCなしで計測・制御システムを構築できる」(ブースの説明員)。

 ブースの展示では、このモジュールの上方にクラウドがあり、NECのM2Mサービスプラットフォーム「CONNEXIVE」との連携も可能とのことだった。「まずは、今回のモジュールを使って、センサー・ネットワークや制御ネットワークを作ることを認識して欲しい。それをクラウドにつなげるのは、次のステップと考えている」(同説明員)。

 組込みM2Mモジュールの価格は1万5000円(税別)から。NECは、今後3年間で50万台の販売を目指している。