上位5社/団体の取得状況
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パテント・スコアの状況
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 パテント・リザルトは、非接触給電(ワイヤレス給電)に関する特許について、独自に開発した評価ツールを用い、参入企業の取り組み動向を調査した。米国特許における非接触給電関連技術を、独自ツール「Biz Cruncher」を用いて評価したもの。特許の注目度などを基に得点化する「パテント・スコア」をベースにまとめている(発表資料)。

 パテント・リザルトは、評価結果をランキング形式で示している。総合力で1位が米Access Business Group、2位が米MIT(Massachusetts Institute of Technology)、そして3位が米Qualcomm社となった。

 1位のAccess Business Groupは、米Fulton Innovation社の技術によるものという。Fulton社は、非接触充電の業界団体である「WPC」の主要メンバーの1社であり、電磁誘導関連技術「eCoupled」を保有するなど、関連技術の開発を古くから続けている。パテント・リザルトによれば、「Access Business Groupは、関連特許の出願時期がMITやQualcommよりも早い。このため当該分野における今後の権利化には、Access Business Groupの特許が大きく影響を及ぼす可能性がある」と分析している。

 総合力2位にはMITが入っているが、4位にはMIT発のベンチャー企業であるWiTricity社がつけている。MITとWiTricity社を同一視すると、総合力では「Access Business Groupを上回る」(パテント・リザルト)という。MITとWiTricity社の関係については、「MITの出願は2006年に集中して以降激減し、Witricity名義による出願が中心となっている。これは、Witricityの設立年(2007年)とほぼ一致しており、磁場共鳴技術における開発の中心はWitricityに移ったものと考えられる」(パテント・リザルト)とする。

 また、WiTricity社の「一部継続出願」の件数が、特徴的であるとした。「一部継続出願制度は『継続性のある出願』のうち、唯一クレームに新規事項の追加ができる制度である。Witricityはこの制度を用い、一度出願した後に自社の開発状況や外部状況を見てクレームに新規事項を追加しているものと考えられる」(パテント・リザルト)。

 3位のQualcomm社に関しては、「特に近年の出願が増えている点で注目すべき」(パテント・リザルト)とした。またQualcomm社と提携関係にあるPowermat社は5位につけているという。