共同開発システムの概要
共同開発システムの概要
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 電子マネー「Edy」を運用するビットワレット、KDDI、大日本印刷の3社は2012年3月6日、Edyをオンラインのシステム上で管理するシステムを開発したと発表した。早ければ2013年にも実用化する。

 今回開発したのは、NFC機能を搭載したスマートフォンを使ったシステム。FeliCaベースの「おサイフケータイ」とは異なり、電子マネーの残金などの情報はすべてオンラインのサーバー側にあるのが特徴である。NFCの決済機とスマートフォンの間では、EdyのID情報だけがやり取りされる。NFCの決済機からはEdy ID情報とともに、引き落とし額や購買情報がサーバーに送信される。こうすることで、個々のIDごとの購買履歴をサーバー側に収集し、その嗜好や購買行動に応じたクーポンの配布や販促活動が行えるようになる。おサイフケータイの場合、残高情報は基本的にEdyカード側にあり、利用の際にここから引かれる形だったため、購買履歴などはサーバーに送られることはなかった。

 この仕組みでは、決済機が店舗側のシステムから品目などを受け取る必要があるが、「店舗側のメリットを訴求して、提供してもらうようにする」(ビットワレット)という。新開発のシステムは、NFC対応スマートフォンのType A通信を使い、SIMカード内のセキュア・エレメント内にカードのIDを格納する形態を採る。「FeliCaを使っても、同じサービスを実現できるが、FeliCaであっても新しい仕組みを用意する必要があることから、今後、世界中で採用拡大が見込まれるType Aで開発した」(ビットワレット)。商用版でも、Type AとSIMカードのセキュア・エレメントで実現する計画だ。