今回のシステムの説明をする同社 代表取締役社長の前田修司氏。手に持っているのは、今回のシステムで用いる無線タグ。
今回のシステムの説明をする同社 代表取締役社長の前田修司氏。手に持っているのは、今回のシステムで用いる無線タグ。
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システム構成
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三つの要素技術
三つの要素技術
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広域監視技術
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監視範囲
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植栽の認識
植栽の認識
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小動物の認識
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無線タグを持つ許可者の場合は警戒エリアに侵入してもOK
無線タグを持つ許可者の場合は警戒エリアに侵入してもOK
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レーザー・センサーや無線タグ・リーダー機能が統合された屋外用センサ
レーザー・センサーや無線タグ・リーダー機能が統合された屋外用センサ
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 セコムは、画像認識技術や無線タグなどを組み合わせることで、セキュリティ・システムを有効・無効にする操作(セット・解除)を不要にした次世代型のセキュリティ・システムを開発した(発表資料)。

 24時間、システムを稼働し続けられるため、セキュリティの空白時間をなくすことができる。企業や戸建て住宅などにおいて、屋外の敷地内を監視する用途に向ける。2012年6月に発売する。

 通常、同社のセキュリティ・システムでは、家庭の在宅時や企業の営業時間などは、システムを解除して使う。しかし、「セットや解除を不要にしてほしいという要望がある」(同社)ことから、今回のシステムを開発した。

3種類のセンサで屋外を24時間監視

 今回のシステムは、(1)無線タグによる個人認証、(2)レーザー・センサーによる広域監視技術、(3)画像認識技術の三つの要素技術を利用している。

 (1)の個人認証については、建物に入る資格を持つ人(許可者)は認証用の無線タグを持つこととしており、これにより侵入者と区別する。

 ただし、従来型の無線タグは無指向性のため、タグの保持者が屋内なのか屋外にいるのかの判定が難しかった。今回は無線タグのリーダーに指向性を持たせ、無線タグの保持者が屋内と屋外のどちらにいるか判別できるようにした。無線タグはアクティブ型で、外形寸法は35mm×35mm×10mm。

 (2)の広域監視については、距離計測用のレーザー・センサーを用いる。近赤外光レーザーを毎秒30回転で回転させ、半径15mの扇状の範囲を監視する。レーザー光が届く範囲であれば監視範囲は距離を含めて自由に設定できる。

 (3)の画像認識については、カメラで人間かどうかなどを判別する。植栽が動いたり、猫などの小動物が侵入してきたりといった状況は区別できるよう対策してある。

 今回のシステムは、月額3万円程度で提供する。導入に当たって工事費などは必要だが、センサなどのハードウエア費用は月額料金に含まれている。年間5000件程度の受注を狙う。