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東レが指紋付着防止フィルムを開発、「2012年度の量産を目指す」

2012/02/14 21:13
佐伯 真也=日経エレクトロニクス
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図1 開発品(左)と親油性フィルム(右)の比較
図1 開発品(左)と親油性フィルム(右)の比較
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図2 開発品(左)と表面処理なし(右)の比較
図2 開発品(左)と表面処理なし(右)の比較
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図3 競合他社との性能比較
図3 競合他社との性能比較
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図4 導入技術1:撥油性を従来より向上
図4 導入技術1:撥油性を従来より向上
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図5 導入技術2:nmサイズのランダムな凹凸構造を設ける
図5 導入技術2:nmサイズのランダムな凹凸構造を設ける
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 東レは、指紋など油脂性の汚れが付着しにくい上、付着しても目立たなくする機能を備えたフィルムを開発した(発表資料)。スマートフォンやタブレット端末など、表示画面へのタッチ入力機能を備えた機器に向けたもの。「ユーザーの反応を見てからになるが、早ければ2012年度に量産を開始したい」(同社 高機能フィルム技術部長 兼 フィルム研究所長の恒川哲也氏)とする。

 現在、指紋の付着防止機能を備えたフィルムには、油脂性の汚れを濡れ広げることで見えにくくする親油性フィルムと、汚れをはじくことでフィルムへの付着を防ぐ撥油性フィルムの2種類が実用化されている。東レによると、親油性フィルムでは皮脂や汚れが多い指で触れるとその効果が得られなくなる、撥油性フィルムでは付着した指紋汚れが目立ちやすいという課題があったという。

 東レの開発品は、こうした従来品の課題の解決を図ったとする。開発品を、「対指紋性」と呼ぶ独自の指標で評価したところ「Class-2」となり、親油性フィルムの競合品の「Class-4」、撥油性フィルムの競合品の「Class-3」よりも良い結果を得た。対指紋性は、フィルム表面の反射光の色味と光沢の変化量を基に定量化したものであり、数値が低いほど特性が高いとする。

 開発品のその他の仕様は、全光線透過率が91%、ヘイズが0.6%、光沢度が155%と、競合品とほぼ同等の性能を実現した。PETフィルム上に、溶液による塗布で成膜するため生産コストも低いという。「他の樹脂フィルムやガラス上にも成膜可能」(東レ)という。

 こうした特性を実現するために、東レは以下の二つの技術を導入した。一つが、撥油性を従来よりも高めて、汚れを付着しにくくしたことだ。新たな添加材を加えることで、撥油性材料が母材に溶けやすくなり、フィルム表面に均一に成膜できるようになったという。この結果、汚れの付着量は、従来の撥油性フィルムの約1/3になったとする。なお、具体的な材料系については明らかにしなかった。

 もう一つが、フィルム表面にnmサイズのランダムな凹凸構造を設けることにより、汚れの凝集を抑制して目立たないようにしたことだ。「母材や撥油性材料、添加材の組成比や、コーティングや乾燥工程を最適化することで、自己組織化機能を持たせて微細な凹凸構造を形成できるようになった」(東レ)とする。

 なお、東レは開発品を、2012年2月15〜17日に東京ビッグサイトで開催される「nano tech 2012」(第11回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議)に出展する。

■変更履歴
東レの要請により、図4を差し替えました。
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