DLPをディスプレイ以外の市場へ、形状計測や半導体製造にも
米Texas Instruments Incorporatedは、MEMS技術を使った光学デバイス・システム「DLP(Digital Light Processing)」をディスプレイ以外の用途へ本格的に展開していく。こうした方針について、2012年2月10日に東京都内で記者会見を開催、事業戦略を語った。
会見では、DLP Products Senior Vice President兼General ManagerのKent Novak氏がDLP市場の現状を説明した。既存のディスプレイ向けフロント・プロジェクタ市場が台数ベースで年間に平均5〜10%の成長を見込めること、DLPベースの製品が2011年末に53%のシェアを獲得していることなどを紹介した。映画館向けでは、DLPによる「DLP Cinema」の比率が2011年に50%を超えたというデータも紹介した。デジタル・データのみで配給される映画が増えているとして、この比率は今後も高まると見込む。携帯型プロジェクタ向け「DLP Pico」の出荷台数は、毎年2倍のペースで伸びるとの見通しも示した。
続いて登壇した日本テキサス・インスツルメンツ営業・技術本部 DLP部部長の大原一浩氏は、DLP Picoの進化の詳細と、ディスプレイ以外への応用について述べた。DLP Picoについては、輝度を向上させる。携帯電話機向けで現在の10ルーメンを2013年までに20ルーメン以上にする計画だ。デジタル・カメラやデジタル・ビデオ向けでは、現在の20ルーメンを2013年までに40ルーメン以上にする。
ディスプレイ以外の用途として、大原氏はマスクレス半導体露光、形状判定、指紋認証、光通信などを挙げた。マスクレス半導体露光では、現像液を塗布したSiウエハーにパターンを照射し露光する。主に試作用を想定している。形状判定は、測定対象物にDLPで特定のパターンを照射し、その像から形状を推定する。形状に不良がないかなどを量産ラインで検査する用途を見込んでいる。指紋認証では、指紋の凹凸を含む3次元的な形状を認識でき、認識精度を高められるという。光通信に応用すると、100万など画素数分の光を同時に制御することが可能となる。
TIは、ディスプレイ以外への応用に向けて開発キットも用意している。光学エンジンに加えて、周辺回路やソフトウエアも提供する。なお、ディスプレイ以外の用途に応用する場合にもチップ(DMD)を変更する必要はないという。ミラー部は紫外光や赤外光など可視光以外の光にも対応する。












