図1 新ハンディカムのラインアップ
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図2 空間光学手ブレ補正機構
図2 空間光学手ブレ補正機構
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図3 音声の鮮明化技術
図3 音声の鮮明化技術
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 ソニーは2012年1月11日、デジタル・ビデオ・カメラ7機種を発表した。1月20日から順次発売する。今回のモデルでは驚くような新機能はないものの、手ブレ補正や音声の鮮明化など、基本機能の強化に力を入れた。

 「HDR-PJ760V」「HDR-CX720V」「HDR-PJ590V」「HDR-CX590V」「HDR-CX270V」「HDR-PJ210」の6機種はハイビジョンでの撮影が可能なビデオ・カメラである。価格はオープンだが、市場推定価格はハイエンドのPJ760Vが14万円前後、ローエンドのPJ201が5万5000円前後である。

 このうち、PJ760VおよびCX720Vの2機種は「空間光学手ブレ補正」と呼ぶ機構を搭載した。同機能はレンズ群と撮像素子を一体化し、このユニットがカメラ内で動くことで補正を実施する。望遠時の撮影に特に威力を発揮するという。従来の光学式手ブレ補正では、手ブレ補正用のレンズのみが動く機構だった。今回の方式はこの方式と比較して、補正能力(手ブレ補正角度)が13倍になったという。

 PJ210以外は音声を自動的に鮮明にする機能を備えた。強風下での風切り音を除去したり、騒音環境での音声を明瞭化したりする。前者は風切り音を検知するとその周波数成分を除去する。後者では顔認識機能を使い、人物を撮影していると判断すると音声の周波数を強調することで実現する。従来製品でも同様の機能を持っていたが、ユーザーが機能の開始を操作しなければならなかった。

 PJ760V、PJ590V、PJ210にはプロジェクターを搭載した。最大100インチまでの投影が可能である。従来、プロジェクターはハイエンドとミドルエンドのモデルに搭載していたが、今回はローエンドまで広げた格好だ。

 残る1機種は3次元(3D)映像を撮影可能なビデオ・カメラ「HDR-TD20V」である。2011年に発売した前機種の「HDR-TD10V」と比較して最短撮影距離を80cmから30cmにしたほか、適切な3D映像になるように奥行きを自動調整する機能を搭載した。体積で34%、重さで170g軽量化した。