Smart TVでコンテンツを管理するSmart HUBの画面例
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カメラ、マイク搭載部の拡大写真
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Angry BirdsをフルHDで楽しめる
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 韓国Samsung Electronics社が2012年1月9日(米国時間)に開催した報道機関向けイベントで、最も多くの時間を割いたのは、スマートテレビに対する新たな取り組みについての説明だった。

 テレビ事業は価格の下落によってどのメーカーも苦戦を強いられているが、「さまざまな機器がネットワークでつながる将来の家電において、テレビが果たす役割は大きい」と攻めの姿勢を強調した。そして、「成功のカギとなるのはコンテンツ、サービス、コネクティビティだ」として、同社のスマートテレビ向けプラットフォーム「Smart TV」における新機能などを紹介した。

 最も注目を集めたのは、「ES8000」などハイエンドのテレビに搭載される、リモコンに代わる新しい入力手法である。テレビの筐体の上部中央にカメラとマイクを内蔵することで、手によるジェスチャー入力と音声入力に対応した。同社はカメラの画素数や入力技術の詳細などについては、明らかにしていない。

 さらに、顔認識機能を実装した。家族を個別に認識して、見る人の好みに応じた動画コンテンツなどをホーム画面に表示することが可能という。

 こうした新しい入力技術などを導入するために、同社はES8000にデュアル・コアのプロセサを搭載した。詳細は明かさないものの、二つのアプリケーションを同時に再生するなどマルチタスクに対応しているという。

 Samsung社はこうした機能を利用するためのAPIを、外部の開発者に公開する方針。「今後は外部の開発者が新機能を利用したSmart TV向けのアプリケーション・ソフトウエア(以下、アプリ)を数多く開発するようになるだろう」(同社)。

 現在、Smart TV向けアプリは1400種類以上があり、1日に世界で5万回ダウンロードされている。2012年には、スマートフォンで人気のゲーム「Angry Birds」やDiscovery Channelなどの人気コンテンツをSmart TVに対応させる。アプリを充実させることで、エコシステムの強化を図る。