図1 “世界最薄”をうたうUltrabook「Aspire S5」
図1 “世界最薄”をうたうUltrabook「Aspire S5」
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 台湾Acer社は2012年1月8日(米国時間)、10日に開幕する「2012 International CES」に先立って報道機関向けイベント(プレス・カンファレンス)を開催し、“世界最薄”をうたうノート・パソコン「Aspire S5」や、新型のタブレット端末などを発表した(図1)。


 Aspire S5は、米Intel社の薄型ノート・パソコンのコンセプト「Ultrabook」に沿った製品で「最厚部は14.9mm」(Acer社)という。「(プレス・カンファレンスを開催している)2012年1月8日の午後2時4分時点では世界最薄」(同社)とする( Tech-On! 関連記事)。

 マイクロプロセサには、米Intel社の「Ivy Bridge」(開発コード名)を採用する予定。質量は1.35kg以下で13.3型の液晶ディスプレイを備える。ストレージ装置はSSD。2012年第2四半期の出荷を予定している。

 プレス・カンファレンスで登壇した同社 CEOの王振堂(J.T. Wang)氏は、「我々が2012年内に投入するノート・パソコンの製品ラインアップのうち、Ultrabookが35%を占める」と述べ、Ultrabookに注力する姿勢を示した(図2)。

 Aspire S5で特徴的だったのが、本体後端に搭載した開閉式のインタフェース・ポート「MagicFlip I/O port panel」である。キーボード右にある「MagicFlip」キーを押すと、インタフェースが本体からせり出してくる(図3~5)。収納するときもこのボタンを使う。インタフェースは、2基のUSBとHDMI、そしてThunderboltを搭載する。インタフェースはこの他、本体左側にSDメモリーカード・スロットを用意した。

タブレット端末はクアッドコア


 タブレット端末は、参考出展ながらAndroid端末「ICONIA TAB」を披露した(図6)。発売時期は未発表で、試作機の詳細設定画面を確認したところ型式は「A700」となっていた。米NVIDIA社が開発したタブレット端末やスマートフォンなどの携帯機器に向けたマイクロプロセサ「Tegra 3」を搭載する( Tech-On! 関連記事)。Tegra 3は4コア(クアッドコア)で、動作周波数は最大1.3GHzである。液晶ディスプレイは10.1型で、解像度は1920×1200画素。会場では、いわゆるフルHD(1920×1080画素)の動画を再生するデモを披露していた。OSはAndroid 4.0(開発コード名「Ice Cream Sandwich」)という。

 ハードウエアだけでなく、プレス・カンファレンスでは新サービス「AcerCloud」も合わせて発表した(図7)。Windows端末とAndroid端末でのコンテンツの同期を可能にするサービスである。Acer社のWang氏は「もはやパソコンだけを使う時代ではない。さまざまなフラットフォームがよく連携できるようにする」と意気込む。2012年6月までに米国とカナダで、同年内に全世界でサービス展開の予定だ。

図2 Acer社 CEOの王振堂(J.T. Wang)氏
図2 Acer社 CEOの王振堂(J.T. Wang)氏
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図3 「MagicFlip I/O port panel」で、インタフェースをせり出した状態
図3 「MagicFlip I/O port panel」で、インタフェースをせり出した状態
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図4 「MagicFlip I/O port panel」で、インタフェースを収納した状態
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図5 「MagicFlip」キーは「Del」キーの右側に備えた
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図6 参考出品したタブレット端末「A700」
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図7 新サービス「AcerCloud」の概要
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