米Broadcom社は2012年1月5日(米国時間)、伝送速度で1Gビット/秒を超える無線LANの規格、IEEE802.11acに対応したICを開発したと発表した。同年1月10~13日に米国ラスベガスで開催される「International CES 2012」でパートナーとともに展示する。

 開発したのは、IEEE802.11nの2倍の帯域幅である80MHz、256QAMの変調速度、3ストリームを採用することで最大1.3Gビット/秒を達成する無線LAN用IC。40nm級のプロセス・ルールをベースに設計している。既存の無線LAN規格であるIEEE802.11a/b/g/nと相互接続性を持つ。

 製品としてはUSBを使ってパソコンや家電機器に接続することを想定したBCM43516、BCM43526と、PCI Express 2.0を使ってルータやアクセス・ポイント、パソコン、家電機器に内蔵することを想定したBCM4352、BCM4360の4種類がある。BCM4360は3ストリームを使って最大1.3Gビット/秒、BCM4352とBCM3526は2ストリームを使って最大867Mビット/秒、BCM43516はMIMOを使わず最大433Mビット/秒の伝送速度を達成できる。

 現在、802.11acはIEEE802.11委員会で標準化作業中であり、ドラフト1.0がまとまった段階である。Broadcom社はドラフト1.0準拠で製品化したものと見られる。台湾ASUSTeK Computer社、米Belkin International社、米D-Link Systems社、中国Huawei Technologies社、中国Lenovo社、韓国LG Electronics社、米Motorola社、中国ZTE社、バッファローなどが、ニュース・リリースにおいてコメントを寄せていることから、こうした企業から今回のICを搭載したルータやパソコンが登場すると見られる。

■変更履歴
初出時、2パラグラフ目に、「3×3MIMO(3ストリーム)」と表記しておりましたが、アンテナを3本以上利用して3ストリームを流している可能性を考慮し、「3×3MIMO」という表記を削除いたしました。本文は訂正済みです。