Solyndra社のモジュール
Solyndra社のモジュール
[画像のクリックで拡大表示]
信頼性でNo.1に
信頼性でNo.1に
[画像のクリックで拡大表示]
SunPower社がモジュールの効率を更新
SunPower社がモジュールの効率を更新
[画像のクリックで拡大表示]
パナソニックの新工場
パナソニックの新工場
[画像のクリックで拡大表示]
海外メーカーが日本市場に注目
海外メーカーが日本市場に注目
[画像のクリックで拡大表示]

 太陽電池業界にとって、2011年は激動の年だった。最も衝撃的だったのは、2011年8月31日に米Solyndra社が連邦倒産法第11章(Chapter 11)の適用を申請したことだろう。同社は、オバマ大統領が視察に訪れるなど、グリーン・ニューディール政策の旗手として注目を集める存在だった。

 Solyndra社と同じ2011年8月には、米Evergreen Solar社や米Intel社から独立した米SpectraWatt社も、破産に追い込まれた。米国の太陽電池メーカーの相次ぐ破産は、太陽電池モジュールの価格競争が激化したことが一因である。米国企業の一部は、中国からの輸入モジュールに対するダンピング訴訟を起こしている(関連記事)。

 2011年のニュースを振り返ると、Solyndra社の破産の前から、世界の太陽電池メーカーが価格競争を回避しようと努力した姿が浮かび上がってくる。その手段として太陽電池メーカーが選んだのは、信頼性と変換効率による差異化である。

 例えば2011年1月には、京セラが信頼性をアピールする戦略を説明している。京セラは「現在の市場は低価格重視と信頼性重視に二極化しているが、将来は信頼性で選ぶ時代になる」と宣言した(関連記事)。8月には、太陽光発電協会(JPEA)代表理事で、シャープ代表取締役社長の片山幹雄氏が、「太陽光発電システムの長期間の発電を担保する、自動車の車検制度のような品質保証制度が必要。そのための基準作りを始めている」と述べた(関連記事)。

 価格競争を回避するもう一つの手段である変換効率については、2011年3月にシャープが「バック・コンタクト(電極裏面接続)構造」の単結晶Si型太陽電池の量産を始めた。同構造は受光面に電極がないため、変換効率を高めやすい。このバック・コンタクト構造をシャープに先駆けて採用している米SunPower社は、世界で初めて20%を超えるモジュール変換効率を2011年中に発売することを発表した(関連記事)。