富士フイルムホールディングス 代表取締役社長・CEOの古森重隆氏
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超音波診断装置は成長市場と説明
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 富士フイルムホールディングスは、携帯型超音波診断装置の大手企業である米SonoSite社を買収する。富士フイルムホールディングス 代表取締役社長・CEOの古森重隆氏は会見で、「携帯型超音波診断装置の市場は年率10%以上成長しており、(画像診断装置の中で)最も期待できる分野」と位置付けた。今回の買収によって、同事業を今後の同社のメディカルシステム事業分野における大きな柱にしていく意向を打ち出した。

 今回の買収は、富士フイルムホールディングスが米国子会社を通じた株式公開買付けにより、SonoSite社の発行済普通株式の総数を総額約9億9500万米ドル(1株当たり54米ドル)で取得する。買収後には、SonoSite社は富士フイルムホールディングスの連結子会社となり、米国ワシントン州において事業を継続する予定である。

 SonoSite社は、携帯型超音波診断装置市場において、世界シェア37%を持つとする。米GE Healthcare社(51%)に次ぐ2位のシェアであるという。特に、患者がいる現場で医師が直接治療方針の判断・処置を行う、いわゆるPOC(point of care)向けの機能を備える製品に強みを持つ。加えて、「装置の小型・軽量化に向けたASICの設計技術や高精細な画像を得られるプローブ、光超音波技術などで優位性のある技術を保有している」(富士フイルムホールディングス 取締役・執行役員の玉井光一氏)とする。中でも、光超音波技術は、次世代技術として業界の注目も集めているものである。

 こうしたSonoSite社の技術に、富士フイルムの画像技術などを融合させることで、シナジー効果を生かした新製品の開発も狙う。「(シナジー効果を生かした新製品は)2年以内には上市したい」(富士フイルムホールディングスの玉井氏)とする。さらに、携帯型超音波診断装置の市場で、「(現在シェア1位である)GE社を超えて、トップ・シェアを目指す」(同氏)と宣言した。