【セミコン・ジャパン】会場でリソ工程を実演、「ミニマルファブ」のファブシステム研究会
半導体ラインの最小投資単位をケタ違いに削減することを目指す産総研(産業技術総合研究所:AIST)コンソーシアムのファブシステム研究会は、同研究会が開発を進めている「ミニマルファブ」向け製造装置を「Semicon Japan 2011」(2011年12月7〜9日、幕張メッセ)に展示、来場者の目の前でリソグラフィ工程を実演して見せた。半導体工程は、通常は極めてクリーンな環境に専用の大型装置を設置して実施される。いずれも数十億円といった金額が必要で、設置にも数カ月といった期間が必要になる。それを今回は数百〜数千万円という金額の製造装置3台を、1日弱で設置して実現した。
同研究会が開発を進めている「ミニマルファブ」は、12〜13mm(0.5インチ)の小さなウエハーを使い、294mm×1440mm×294mmに規格化された製造装置でプロセス処理を実施する。ウエハーはクリーン度を維持できる専用の小型ケース(「ミニマルシャトル」)に封入されているため、製造装置を設置する場所をクリーン・ルームにする必要はない。装置価格は数百万〜数千万円のレベルであり、最小投資単位は、従来の数千億円から数億円に削減できる(もちろん、生産規模もケタ違いに小さい)。
半導体向け製造装置の開発では、まずリソ関連装置を開発する必要がある。リソ工程を確立しないと、エッチング装置や成膜装置を形成してのパターン付きウエハーで評価ができないからである。今回はミニマルファブ向け装置のうち、そのリソ関連装置が開発できたため、半導体技術者へのアピールや協力企業の入会勧誘などの意味も含めて、リソ工程の実演に踏み切った。
実演は30分ごとの予定で実施していた。まずレジスト塗布装置にミニマルシャトルを実演者が手動で設置する。すると、ウエハーが装置の中に自動的に搬送され、内部で表面処理、スピン・コート式のレジスト塗布、プリベークを実施、再びミニマルシャトルに戻される様子を見せた。続いて、このミニシャトルを露光装置に移すと、同様の搬送システムでウエハーが装置内へ移動、DLPを使ったマスクレスの露光でテスト・パターンが焼き付けられた。最後に現像(デベロッピング)装置でレジストを現像した。いずれも装置でも処理にかかった時間は数分程度、一連のリソ工程が10分程度で完了した。
処理したウエハーをその場で顕微鏡観察、1μmパターンなどが実際に露光できているところを見せた。なお、今回の露光装置の実力は0.7μmもしくは0.5μm程度と言う。その場で見せた観察映像ではレジストが残ってパターンが出来なかった部分もあったが、これは温度などを制御していない会場で実施しているため、レジストの濃度が変化したためではないかと言う。実際、条件出しをした直後の朝に露光したウエハーではそのような問題が起きず、きれいなパターンを形成できたとし、その観察像を見せていた。












