図1 シャープが発表した業務用携帯端末「RZ-F300」シリーズ。筐体背面にはハンドベルトを搭載
図1 シャープが発表した業務用携帯端末「RZ-F300」シリーズ。筐体背面にはハンドベルトを搭載
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図2 手袋を装着した状態でも入力できる
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図3 NFC規格の近距離無線通信に対応。アンテナは、本体正面の表示部を取り囲むように配置
図3 NFC規格の近距離無線通信に対応。アンテナは、本体正面の表示部を取り囲むように配置
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図4 筐体前方には、レーザ読み取り方式のバーコード・リーダーを搭載
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図5 バーコードを読み取っているところ
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 シャープは2011年12月7日、業務用携帯端末「HandyBrain」の新機種として、全面タッチ操作による入力に対応した「RZ-F300」シリーズ4機種(RZ-F301/302/302C/303C)を発表した(ニュース・リリース)。「スマートフォンと同じ感覚で利用してもらうことを目指した」(同社 ビジネスソリューション事業推進本部 システム機器事業部 副事業部長 兼 商品企画部 部長の泉和夫氏)という。流通小売業や物流業界などでの発注や在庫紹介、商品管理などに向ける。

 開発品は、4.3型で800×480画素の液晶パネルを搭載する。前面には抵抗膜式のタッチ・パネルを施しており、手袋を装着した状態での入力やペンによる文字入力が可能。2本の指を同時に検出できるため、「スマートフォンのようなピンチ・インやピンチ・アウトにも対応する」(シャープの泉氏)。

NFCを新たに搭載

 業務用携帯端末として、新たにNFC(Near Field Communication)規格の近距離無線通信に対応する(RZ-F302のみ非搭載)。通信方式は、ISO 14443 Type A/Type BとFeliCa、RFID(ISO15693)の4種類。NFCのアンテナは、本体正面の表示部を取り囲むように配置しているので、「ICカードやICタグの情報を読み上げるために本体をかざしても、表示画面を確認して利用できる」(シャープの泉氏)という。

 NFC以外の通信方式は、無線LAN(IEEE802.11a/b/g)とBluetooth(2.1+EDR)である。さらに最上位機種のRZ-303Cは、3G通信(下り最大14.4Mビット/秒のHSDPA)やGPSに対応する。3G通信を利用する際は、NTTドコモまたはソフトバンクモバイルとの契約が必要となる。

Mg合金で堅牢性向上

 堅牢性を高めるため、筐体内部にMg合金製のシャーシを搭載する。上下の筐体と内部の3層構造により、高さ1.5mからコンクリート上に落下しても壊れない耐落下衝撃性能を備えた。前面のタッチ・パネルは、「基板を従来のガラスからポリカーボネート性の樹脂に変更することで割れにくくなった」(シャープの泉氏)とする。

 耐水性能については、JIS/IEC保護等級である「IP54」に準拠する。防水性の高いテープを使い、前面筐体とタッチ・パネルを一体化したという。

連続駆動時間は約12時間

 OSには米Microsoft社の「Windows Embedded Compact 7」を、CPUには米Texas Instruments社の「AM3715」(最大動作周波数は800MHz)を採用する。米Google社の「Android」については、「要望に応じて対応していく予定」(シャープの泉氏)とする。

 搭載するLiイオン2次電池の容量は2580mAhであり、連続駆動時間は約12時間(JEITA HT標準動作モードG)となる。この他、レーザ読み取り方式のバーコード・リーダーを備える(RZ-F301は非搭載)。

 発売日は、RZ-F301/302/302Cが2011年12月26日、RZ-F303Cが2012年2月27日。価格はオープンだが、想定価格はRZ-F301が10万円前後、RZ-F303Cが20万円前後である。事業計画は、4機種合計で月産2500台。