写真1●今回の受賞者たち。日本電気計測器工業会が撮影。
写真1●今回の受賞者たち。日本電気計測器工業会が撮影。
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写真2●工学院大学のビニール傘を使った持ち運び可能な風力発電システムでLEDを点灯させるデモ。著者が撮影。
写真2●工学院大学のビニール傘を使った持ち運び可能な風力発電システムでLEDを点灯させるデモ。著者が撮影。
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写真3●神奈川工科大学の受賞者と、LEDの冷却システム。著者が撮影。
写真3●神奈川工科大学の受賞者と、LEDの冷却システム。著者が撮影。
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写真4●拓殖大学のワイヤレス式のヘッドフォンを使った電界方式の人体通信のシステム。著者が撮影。
写真4●拓殖大学のワイヤレス式のヘッドフォンを使った電界方式の人体通信のシステム。著者が撮影。
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 日本電気計測器工業会(JEMIMA)は11月17日、主催する「計測展2011 TOKYO」(11月16~18日、東京ビッグサイト)において、「計測展2011 TOKYO 学生アワード」の受賞者を発表した。今回は、工学院大学 制御システム研究室によるビニール傘を使った持ち運び可能な風力発電システムが先進システム賞を、神奈川工科大学 小室研究室によるLEDの冷却システムが環境技術賞を、拓殖大学 前山研究室による人体通信の3種類の応用システムが先駆的通信技術賞を、それぞれ受賞した(写真1)。

 このうち、工学院大学の受賞グループは、コンビニなどで買ったビニール傘を3本組み込んだ持ち運び可能な風力発電システムを使って、風力でLEDを点灯できるデモを披露した(写真2)。ビニール傘を左右にずらして配置することで、風が弱くてもどの方向から吹いてきても水平方向に回転させられる「サボニウス型」と呼ばれる風車を実現したもの。これによって1m/秒という弱い風でも発電できるとし、1W以下、12Vの電力でLEDを点灯させた。

 神奈川工科大学の受賞グループは、LEDの冷却に使った水を効率的に冷やす技術について実演した(写真3)。冷却システムに組み込まれたペルチェ素子を、冷却効果の高いシリコーンゴムで挟み込むことで、ペルチェ素子自体の発熱を抑えたもの。これによって、効率よく冷却水の温度を下げられるという。

 拓殖大学の受賞グループは、身近な電子機器などを使って、電界方式、電流方式、弾性波方式の三つの方式の人体通信の技術を実演した。電界方式の人体通信のデモでは、市販されているワイヤレス式のヘッドフォンを改造したものを使っていた(写真4)。このヘッドフォンで使われている赤外線通信用のレーザーではなく、新たに組み込んだAlの電極を使って通信する。ヘッドフォン側の電極の寸法を最適化することによって、人がヘッドフォンを装着した時だけ周波数3MHzで通信し、音楽プレーヤーで再生した音楽を聞くことができる。