GEヘルスケア・ジャパンは2011年9月14日、X線CT装置によるシーラカンスの撮影を実施し、その様子を報道陣に公開した。

撮影の様子
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 撮影したのは、同年12月10日にオープン予定の「沼津港深海水族館 シーラカンス・ミュージアム」(静岡県沼津市)で展示される生冷凍状態のシーラカンス。今回撮影した断層像や、画像処理を施して3次元化した画像などは、同ミュージアム内で実際のシーラカンスと共に展示される予定である。

沼津からクルマでGEヘルスケアの施設に搬送されてきたシーラカンス
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撮影前のシーラカンス
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 撮影に使用したX線CT装置は、GEヘルスケア・ジャパンの最上位機種「Discovery CT750HD」。1回転で64枚の画像を撮影できる、いわゆる64スライスの機種である。幅0.625mmの間隔で断層撮影できるため、今回は体長約170cmのシーラカンスの断層像を約2700枚分撮影した。

撮影した断層像。丸く見ているのが脊柱である
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 撮影した断層像からは、シーラカンスの最大の特徴である「脊柱」がハッキリと確認できた。日本のシーラカンス研究の第1人者で、同ミュージアムの館長を務めるブルーコーナー 代表取締役の石垣幸二は、「シーラカンスは生物の進化の象徴的存在。X線CT画像を利用することで、脊柱など他の生物との違いを分かりやすく説明できる」とした。

画像再構成によって処理した画像。脊柱がはっきり確認できる
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 なお、今回撮影したシーラカンスは、1980年代に日本シーラカンス学術調査隊がアフリカ・コモロ諸島で捕獲した5個体のうちの1体。同ミュージアムでは、その際に撮影されたシーラカンスが釣り上げられるシーンや遊泳シーンなども上映されるという。

画像再構成によって処理した画像
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動画 シーラカンスの断層像を連続的に観察した様子(提供:GEヘルスケア・ジャパン)(約35秒の動画)

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動画 画像処理を施して3次元のシーラカンス像を再現した動画(提供:GEヘルスケア・ジャパン)(約17秒の動画)

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