2010年のアナログ半導体市場は、前年比29.9%増となった(図1)。アプリケーション別に見ると、自動車向けが同45.1%増、産業分野向けが同39.6%増であり、これらが成長を牽引した。2010年は半導体市場全体では前年比32%増となった。同52.4%増の成長を示した半導体メモリが牽引した形だ(図2)。アナログ半導体市場の前年比成長率は半導体市場全体の成長率をわずかに下回ったものの、2009年から大幅な回復を遂げた。

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図1●アナログ半導体市場の推移
図2●2009年と2010年の半導体市場
図2●2009年と2010年の半導体市場

 2010年のアナログ半導体市場をメーカー別の売上高シェアで見てみよう。業界トップの米Texas Instruments(TI)社は、2009年の12.4%から13.7%へシェアを伸ばし、首位を堅持した(図3)。2010年の同社のアナログ

図3●アナログ半導体メーカー上位10社の市場シェア
図3●アナログ半導体メーカー上位10社の市場シェア

 半導体の売上高は64億米ドルであり、前年比で43.3%増と大幅な伸びを示している。 

 この他のシェア上位企業で2010年に高い成長を遂げたのは、米Analog Devices社や米Maxim Integrated Products社、ドイツInfineon Technologies社、米Linear Technology社などである。各社とも、産業分野向けや自動車向けのアナログ半導体が成長の原動力となった。

 業界3位のAnalog Devices社は、2010年のアナログ半導体の売上高を前年比39%増の24億米ドルに伸ばした。アンプやデータ・コンバータなど同社の中核製品への注力度を一層高める戦略が奏功している。市場シェアは前年の4.8%から5.1%へ拡大している。